文系人間でも大丈夫!1週間でAIの基本用語・導入事例・ビジネス活用法を知る【セミナーレポート】

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5月18日から22日に渡って、オンラインセミナー1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座が開催された。同セミナーは1回30分、全5回の講義形式で実施され、主催は株式会社ABEJA。実際に全5回の講義を聞いた記者が、その様子をレポートする。

AIをビジネスに活用するという観点から必要な基本知識をカバー

セミナーは基本用語の説明から事例紹介、ビジネスを使ったAI企画の立て方まで網羅している。各回のテーマは以下の通り。

1 そもそもAIって何ができるの?
2 これだけは覚えておけAI基本知識
3 どうやってAIができるかの基本知識
4 ビジネスに役に立つAI事例の学習
5 ビジネスでのAI企画の立て方

すべての回の講師をABEJAデータサイエンティストの木下正文氏が、モデレーター(聞き役)を同社の羽田卓生氏が務め、2人の掛け合い形式で展開された。

第5回「ビジネスでのAI企画の立て方」の様子

第5回の「ビジネスでのAI企画の立て方」では、AIプロジェクトでよくある課題やプロジェクトを進めるうえでの注意点、AIを使ったビジネスアイデアを出す方法などが紹介された。

「自社事業に適したAIの活用方法が分からない」「PoCで終わってしまい実装できない」などといったAIプロジェクトでありがちな課題にふれたうえで、木下氏は、テーマ選定やアセスメントなど、PoC(Proof of Concept:概念実証、アイデアが実装できるかを検討するフェーズ)に進むまでの前段階が重要だと強調した。

提供:ABEJA(「1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」セミナーテキスト 第5回)

提供:ABEJA(「1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」セミナーテキスト 第5回)

そのため「まずはAI導入事例をインプットしたうえで、自社のビジネス課題を集めるという流れで進めると良い」と語り、他社の導入事例を見るときのポイントを紹介した。

  • ビジネス上の課題をどのようにAIタスクに落とし込んでいるか
  • AIはどの業務範囲を担っているか
  • どのような技術やデータを用いているか

提供:ABEJA(「1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」セミナーテキスト 第5回)

事例を知ったあとは、自社の課題を洗い出し、サプライチェーンや保有しているデータなどさまざまな切り口からアイデアを探っていく。課題の検討段階では、アイデアを絞りながらブラッシュアップを続ける必要があり、ときにテーマの再設定が必要になることもあるという。

提供:ABEJA(「1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」セミナーテキスト 第5回)

――木下
「ビジネスアイディアが出てきたら、技術的難易度とビジネスインパクトで絞り込むと良いと思います。技術的難易度が低い(実現可能性が高く、開発コストが低い)かつビジネスインパクトが大きい課題から取り組むべきです」

参加した記者の感想

ここからは、セミナー内容・セミナーの形態についての2軸から筆者が思ったことを語りたい。

前半の用語解説は「文系人間」にはやや難しいが、後半の事例紹介・解説はついていきやすかった

全5回のテーマに分けられて、1週間じっくり取り組めた。1回目と2回目の講義は、AIに関する基本用語の説明だった。AIのバリエーションの多さを、飛行機や船や車など幅広い意味を含む「乗り物」という言葉に例えるなど、うまく噛み砕いて説明されている反面、

提供:ABEJA(「1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」セミナーテキスト 第1回)

AIの分類例としてif文を挙げていた箇所などは、純粋な”文系人間”にはやや難しいかも?というように感じた。

提供:ABEJA(「1週間で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」セミナーテキスト 第1回)

この回は登壇者も「初心者には難しい内容では」と思っていたようで、聞き手の羽田氏が「文系人間は、用語や事例をひたすら覚えると良いです」と語っていたのが印象的だった。

第3回からは、AI開発のプロセスや導入事例が多く紹介された。この記事で紹介した第5回「ビジネスでのAI企画の立て方」に加え、導入時に苦労した点やその解決策などは、AI導入担当者の助けになりそうだと強く感じた。

登壇者が参加者の質問にすぐ答え、ウェビナーでも「参加している」感が味わえる

全体を通じ、初心者を想定した「聞き手」役の羽田氏と、講師役の木下氏との2名のかけ合いでテンポが良かった。羽田氏は「かつてAI初心者だった自分が、純粋に感じた疑問や分からなかった部分を深ぼっていった」とのことだ。

参加者を聞きっぱなしにさせないための工夫も凝らされていた。登壇者が参加者からの質問にリアルタイムで反応してくれたため、新たな学びも多かった。質問数も回を増すごとに増えていき、「AIについてもっと知りたい」という参加者の熱量を感じとれた。

より多くの人に、AIを正しく知ってほしい

今回モデレーターを務めた羽田氏は、本セミナー開催に至った経緯をこう語る。

――羽田
「ABEJAは比較的敷居が高いイメージを持たれることが多く、もっと身近な印象を持ってほしいと思っていました。会社の認知度を高めるだけではなく、世の中のより多くの人にAIのことを正しく知ってほしいと考え、文系でAIをビジネスに活用したい人のためのエントリー講座が必要なのではないかと思い、今回のセミナー開催に至りました」

実際に、企業の営業部門や企画部門の方をはじめ、上場企業のCFOやスタートアップ経営者、個人事業主といったさまざまな業種・職種の人々が出席したという。セミナー参加者からは、「断片的だった知識がつながって、体系的に捉えることができるようになった」「羽田さんの文系的・マネジメント的な質問やコメントが的確で『そうそう』と頷きながら楽しく学べました」などの声が挙がったのことだ。

6月中にもAI初心者向けセミナーを開催

羽田氏は、1日30分、合計1週間で毎日少しずつ学ぶ形式のセミナー開催は初めてだったとのことだが、手応えを感じたと話す。

――羽田
「1日目、2日目は参加者の離脱があったのですが、3日目以降は途中で抜ける参加者もなく質問の数も増え、熱意の高い参加者の方が残ってくださった感覚がありました。

私たちは2012年のディープラーニング黎明期からこの事業をやっていますが、文系理系、職種問わずテクノロジーに関する知識の底上げをすることが重要であると発信し続けてきました。AI後進国と言われている日本ですが、こうして『ビジネスにAIを活用したい』『そのために学びたい』と思う人が増えることで、巻き返していけると思っています」

当セミナーの盛況を受け、ABEJAでは6月中に複数の日程でオンラインセミナー「120分で学ぶ!文系のためのAI超入門講座」を開催予定だ。今回同様、AIをビジネスで活用するうえで必要な知識を身に付けたい初心者向けの内容だという。

>>【無料オンライン開催】120分で学ぶ!文系のためのAI超入門講座

「分割して少しずつ学ぶ形、凝縮して学ぶ形、それぞれ自分に向いているものを選んで参加していただければと思っています」(ABEJA広報・高橋真寿美氏)