孫正義さん「AI革命はまだ始まったばかり」:今月のAIビジネス最前線

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画像はUnsplashより



日々発表される人工知能(AI)に関するニュースのなかでも、ビジネスに関するニュースは注目に値する。たとえば、大企業によるAI技術への投資や、さまざまな業界でのAIの活用事例には、明日の仕事に生きるヒントが隠されている可能性があると言えるからだ。

そこで、本稿ではLedge.aiで取り上げた、これだけは知っておくべき2021年5月のAIのビジネスに関するニュースをお届けする。「AIビジネスそのものに関心がある」という方はもちろん、「AIを自分のビジネスに活用したい」といった方も要チェックだ。

東芝、教師なしで画像をグループ化できるAI開発 精度は95.4%で世界最高級か

株式会社東芝は4月28日、製造現場向けに教師なし(分類基準のラベルづけ作業なし)で高精度に画像をグループ化できる画像分類AIを開発したと発表。一般画像の公開データを分類したところ、分類精度が従来の71.0%から95.4%に改善し、世界トップレベルの性能を達成したとうたう。

東芝は本AIを製造現場で製品の外観画像を分類することで、不良や欠陥の発生状況を早期に把握する外観検査向けに開発した。AIで外観画像を分類する手法には、事前に分類基準を人手でラベル付けする「教師あり学習」と、分類基準の設定や教示用のデータを必要としない「教師なし学習」がある。東芝によると、製造現場における外観検査では分類基準を学習するための人手作業が不要で、導入・運用コストが低い「教師なし学習」が求められる傾向にあるという。

アップル、AIなどに5年間で約46兆円投資「すごい金額だ」

米アップルは現地時間4月26日、AI技術などに5年間で4300億ドル(約46兆円)投資すると発表した。日本のSNS上では約46兆円、1年あたりでも約9兆円という巨大な金額に驚くユーザーが多く、「すごい金額だ」「国家予算か」などのコメントも見られる。

アップルは2018年に5年間で3500億ドル(37兆円)を投資するとしていたが、当初の5年間の目標を大幅に上回った。今後5年間で投資金額を20%引き上げた。投資金額はAIやシリコンエンジニアリング、5Gなどの最新テクノロジーにおける雇用創出に充て、アメリカ国内で2万人の雇用を増やす計画という。

ソフトバンクG孫正義さん、AI革命に熱意「10兆円でも満足しない」

ソフトバンクグループ株式会社は5月12日、2021年3月期 決算説明会のなかで、純利益が4兆9880億円と過去最高額を記録したことを正式に発表した。日本企業の利益としても過去最高と報じられている。好調の理由は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」のAI企業への投資によるものが大きい。

ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員の孫正義さんはソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資について、「AI革命はまだ始まったばかり。AIはあらゆる産業を再定義していく。そう信じています」と語った。

DeNA、AIで誰の声でもアニメ声に変換できる無料サイト「人脈も信用貯金も何もない入社一年目」のアイデアが採択

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は5月12日、「人脈も信用貯金も何もない入社一年目」のアイデアを採択し、現在開発中のAIを活用した「音声変換AI」のトライアルを試験利用できる「VOICE AVATAR 七声ニーナ」を公開した。本サイトではPCやスマートフォンのブラウザ上において自分の声で話しかけて音声を入力すると、音声が「七声ニーナ」の声に変換される。

DeNA Engineers’ Blogの投稿によると、本サイトを発案したのはデータ統括部AI基盤部の竹村さん。「本サービスはDelight Boardという部署横断型のプロジェクトにて、1000人を超える社員投票により自分の案がまさかの採択となったことがきっかけ」と語る。

イオン、割引価格を提示するAIをほぼ全店に導入 割引率が平均2割強も改善

イオンリテール株式会社は5月13日、7月までにほぼ全店(約350店舗)に商品の販売実績や天候・客数などの環境条件を分析し、割引時に適切な価格を提示する「AIカカク」を順次導入すると発表した。先行導入を実施した店舗では、一部商品の割引率が平均で2割強も改善したという。

「AIカカク」は販売実績や天候・客数などの環境条件をAIが学習し、総菜売場の商品のバーコードを読み取り、陳列数を入力するだけで適切な割引率を提示する。データに裏付けされた価格で販売することで、値下げや売り切り業務に関わる教育時間を軽減し、食品ロスの削減にもつなげる狙いだ。

グーグル出資のAI企業ABEJA、SOMPOの関連会社に「非常に素晴らしい機会をもらった」

米Google(グーグル)などが出資する株式会社ABEJA(アベジャ)および、損害保険ジャパン株式会社などを傘下に持つSOMPOホールディングス株式会社は4月28日、両社の資本業務提携契約に関する説明会を開催した。

SOMPOホールディングスは4月14日にABEJAの発行済み株式のうち21.9%を既存株主からの譲渡により取得した。ABEJAはSOMPOホールディングスの関連会社になった。SOMPOホールディングスからABEJAに役員を派遣する。

無料で使えるAI音声合成サービス「CoeFont STUDIO」商用利用も可

株式会社Yellstonは4月23日、AIを活用するWeb音声合成サービス「CoeFont STUDIO(コエフォントスタジオ)」を期間限定で無料公開した。無料提供の終了時期は未定という。

本サービスでは、AIにおけるディープラーニング(深層学習)を活用することで、人間の声を再現してWeb上で音声合成ができる。Web上でアクセント調整やスピード調整などの機能を利用し、作成した音声はダウンロード可能。本サービスおよび出力した音声データは営利・非営利問わず自由に利用できる。

ドコモ社長「データ活用人材を1000人以上拡充する」

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長 兼 CEOの井伊基之氏は5月12日、2020年度決算発表会のなかで、今後データ活用人材を1000人以上拡充すると言及した。

井伊基之氏は「あらゆる顧客接点からのデータを活用して、デジタルマーケティングの高度化を図るためには、機械学習エンジニアなど、データ活用人材を早期に1000人以上拡充するということを考えています」と語る。ここでのデータ活用人材とは機械学習エンジニアのほか、データエンジニア、データコンサルタント、マーケターを指す。

ドコモやコマツ、建設業界のDX推進する新会社を設立 ドコモはAIなど技術を提供

株式会社小松製作所(コマツ)、株式会社NTTドコモ、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社、株式会社野村総合研究所(NRI)は4月30日、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する新会社「株式会社EARTHBRAIN(EB社)」を発足させることに合意したと発表。事業開始日は2021年7月を予定している。

EB社は、コマツが建設現場のDXを目指し、開発および展開してきた建設現場の情報をICTでつなぎ、安全で生産性の高い現場を実現するとうたう「スマートコンストラクション」のさらなる高度化を図り、海外にも幅広く展開するという。

東映アニメ、AIで色付け作業時間を10分の1に短縮するプロジェクトに参画

東映アニメーション株式会社は5月13日、株式会社シナモン(シナモンAI)と株式会社ギークピクチュアズが進める「アニメーション自動着色AI」共同プロジェクトに参画すると発表した。本プロジェクトはセル画の前処理から着色までの各フローにAI技術を導入することで、セル画の色付け作業時間を10分の1に短縮できるものだ。

今回、東映アニメーションはAI・CG・XRなどを手がける製作部 テクノロジー開発推進室が中心になり、AI開発のための学習素材を提供し、AIにおけるディープラーニング(深層学習)を加速させるとしている。東映アニメーションは今後、東映アニメーション作品での試験導入を予定しているという。

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