図書館の中で飛ぶドローン、蔵書を点検するために書架を自動巡回

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図書館でドローンが飛ぶ、と聞いてどう思うだろうか。そもそも図書館に入るのか?壁にぶつかったりするのでは?と思うかもしれない。

千葉県船橋市の西図書館は、3月12日からAI蔵書点検システムを試験導入している。それにともない、特殊小型ドローンが書架を自動飛行・撮影し、AI蔵書点検システムと連携させる実証実験が始まった。





蔵書を人手で読み取るのが大きな業務負荷に

船橋市では、すでに蔵書にICタグ(RFID)を貼付し、図書館ではRFID読み取り機器を使用した蔵書点検を実施している。しかし、各地域の公民館図書室では、蔵書をバーコードで一点ずつ読み取る方法で蔵書を点検している。しかし、一点ずつ読み取り、図書館システム上の蔵書データと照合するため、負荷が高い業務となっている。

船橋市は、AIの積極的な活用に取り組んでいる。そこで、公民館図書室における蔵書点検業務の負荷軽減・効率化を目指し、京セラコミュニケーションシステム(以下KCCS)と共同で、船橋市西図書館に「AI蔵書点検システム」の環境を構築し、3月12日から試験導入を開始したのだ。

AI蔵書点検システムは、KCCSが提供する公共図書館システム「ELCIELO(外部サイト)」 と画像解析AIを組み合わせたシステムだ。図書館の書架一面を撮影し、撮影した棚の背表紙データと、ELCIELOに登録された棚の範囲の蔵書データを画像解析AIに取り込み、マッチング分析し、蔵書を点検する。これにより、手作業で点検することなく、棚単位でまとめて蔵書を点検できる。

今回、AI蔵書点検システムに必要な書架一面の撮影に、タブレット端末を用いた手動撮影に加え、小型ドローンによる自動撮影を試験的に行い、無人化も目指すという。

図書館でドローンは飛べるのか?

多くの自動撮影が可能な自動飛行ドローンは、大きいサイズ(200g以上)のものが多い。無人化を目指すにあたって、図書館内で飛行するサイズとしては、張り紙や本など、設備への影響から現実的ではなかった。

出典:プレスリリースより

しかし、Liberaware社のドローン「IBIS(外部サイト)」は、あらかじめプログラミングしたルートどおりに自動で飛行する手のひらサイズの産業用ドローンで、設備への影響リスクが最小限であることから、共同で検証することになったという。

実際に図書館内を飛行している様子は以下の動画を見てほしい。

ドローン×画像認識は遭難者の探索や農業にも

ドローンとAIによる画像認識の組み合わせは、さまざまな分野で活用が進んでいる。最近ではドローンで登山道の遭難者を発見する実験が実施されたり、Ledge.aiで以前取材した茨城県のある農家では、ドローンでキャベツ畑を空撮し、画像認識をすることでキャベツの収穫時期を予測するなど、がさまざまな取り組みがある。

今回の図書館での事例のように、屋内でのドローン活用における難点はやはりサイズだろう。万が一設備にぶつかってしまうと、器物破損や、最悪の場合事故などのリスクをはらんでいる。

IBISのように小型でかつルート通りの自動操縦が可能であれば、事故などのリスクも軽減され、物流倉庫などにも転用の可能性が広がる。実際、IBISも屋内警備や設備点検のほか、倉庫内における在庫管理業務にも導入検討が進められているという。

Source:PR TIMES