経済産業省と国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の主催により、「自動運転」に着目した「第6回AIエッジコンテスト」が開催中だ。開催期間は8月17日〜2023年1月29日まで。世界中の技術者・研究者・学生たちが挑戦している。
急速に成長するエッジAI技術
「エッジAI」とは、ユーザーに近いデバイスなどのエッジ側に搭載されたAIのことをいう。クラウドとの通信を減らすことができ、コスト削減や通信の遅延問題解決の策として注目されている。例としては、エッジAIを活用したAIカメラで店内を監視し、手に取った商品などを認識することによっての店舗無人化などが挙げられる。身近な例を挙げると、iPhoneのSiriのような音声アシスタントでも、現状はクラウドAIが利用されているが、将来的にはエッジAIの利用が予想される。
コンテストを通してアイデア・人材の発掘
「Connected Inductries(コネクテッド・インダストリーズ)」や「Society5.0」の実現には、AIの貢献が不可欠であり、AI人材の育成は急務の課題となっている。「Connected Inductries」とは、経済産業省が2017年に提唱した概念で、データを介して機械、技術、人などさまざまなものがつながり、新たな価値創出と社会課題の解決を目指す産業のあり方のこと。また「Society5.0」とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する超スマート社会を意味し、人類がめざす次なる社会像として政府により提唱されている。
こうした背景により、AI技術開発に加え、人材育成・スタートアップ育成、さらにはこれら技術を活用した産業育成を図るべく、今回のコンテストは実施されている。
自動車走行時の物体検知
今回のコンテストでは、自動車走行時の画像・点群データによる3D物体検出を行うAIを開発する。参加者には「車両前方の画像データ」「車両前方の点群データ」「物体のラベル付された3Dバウンディングボックスとカテゴリ」が提供され、それを元に「車両前方の画像及び点群データから、3D物体検出を行うアルゴリズム」を作成し、そのアルゴリズムをRISC-Vを搭載したFPGAボードに実装するまでが課題となっている。
参加者が開発したAIは、審査員が「完成度」「精度」「動作速度」の3項目について点数付けし、総合点で順位を決定する。
最大総額340万円相当の賞金も
開催期間は2022年8月17日から2023年1月29日まで。全部で5種類の賞があり、現金による賞金総額は220万円でそのほかにもAmazonギフト券やGoogle Cloud Platformのクーポン券などの商品がある。
それぞれの賞の賞金・賞品は以下の通り
- 優秀賞(1位)
トロフィー、100万円、Google Cloud Platform クーポン20万円分、さくらのクラウドクーポン20万円分 - 優秀賞(2位)
トロフィー、60万円、Google Cloud Platform クーポン10万円分、さくらのクラウドクーポン10万円分 - 優秀賞(3位)
トロフィー、30万円、Google Cloud Platform クーポン5万円分、さくらのクラウドクーポン5万円 - 審査員特別賞
トロフィー、30万円、Google Cloud Platform クーポン5万円分、さくらのクラウドクーポン5万円 - Web記事賞
Amazonギフト券4万円分を対象チームで配分(最大10チーム)
これらの賞金・賞品を合わせると合計額は最大で340万円分にのぼる。
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