【AI医療事例6選】診断サポートから予防医療、介護まで。医療現場にどう浸透するか?

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製造業や金融、農業にいたるまで、多くの分野でAI活用が進んでいる。医療分野も例外ではない。高齢化が進み、医療費の増加や介護の人手不足が叫ばれるなか、どのようにAIは医療の現場で活用されるのか?

本稿では、医師の診断サポートから予防医療、介護まで、医療分野でAIが活用されている事例を紹介する。

AIが医師の画像診断をサポート

株式会社エムネスは医師の画像診断をサポートするAIを開発している。アルツハイマーや脳動脈瘤の疑いがどのくらいあるか、AIが画像の特徴から分析し、医師に伝える。画像から脳の体積を推定し、脳の収縮についてもAIなら画像からわかるのだという。

エムネスの画像診断システムはクラウドとつながっているため、遠隔の医師が画像診断することも可能。医師が不足する地方や発展途上国での活用が広がっており、医療格差の是正に一役買いそうだ。

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生活習慣病リスクをAIで予測

医療費を含む社会保障関係費は年々増加傾向にある。そんななか、注目されているのが予防医療だ。

SOMPOホールディングスグループと東芝グループが共同で、生活習慣病リスク予測AIを開発した。東芝グループが持つ工場機器の故障予測で使われる「時系列分析」のノウハウを生かし、病気の発症確率を予想する。生活習慣病リスクや健康保険組合が必要な予算まで予測可能だという。

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AIを活用した医療施設内での見守りサービス

2018年度、介護報酬の改定があり、見守り機器を導入することで、関連施設の夜間駐在の人員削減が可能になった。この介護報酬改定を受け、医療施設における見守り機器の需要が増えている。

凸版印刷は、医療施設内でも、とくに見守りが行き届きにくい個室における見守りサービスを開発した。

ワイヤレス医療機器などに使用される既存の通信帯域と異なる帯域での通信を用いるため、診療や看護に支障をきたさず電波干渉を防げる。医療施設内での導入に適しているという。

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インフルエンザの流行を予測するAI

ボストン小児病院の研究者が、従来をさらに上回る精度でインフルエンザの発生を追跡、予測できるアプローチを発表した。

「ARGONet」と呼ばれる新しいアプローチでは、従来のインフルエンザレポートよりも1週間早く、かつアメリカ全土の州レベルでレポート作成を可能したとのこと。

より正確な流行予測ができれば、早めに予防接種をする人が増えるのではないだろうか。

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どこでも簡単に医療診断を受けられるAI搭載アプリ

Babylon Healthは、利用者がAI搭載型チャットボットに症状を伝えると、症状を即座に分析し、適切な医療診断をしてくれるスマートフォン向けアプリを提供している。

なんとBabylon Healthが開発したAIドクターは、実際に一般の開業医が受けるテストで人間の医師の平均スコアを上回ったという。診断結果により、在宅勤務の医師とのビデオ面談の推奨、医療機関での診察予約までしてくれる。

医療機関での待ち時間の削減だけでなく、医師が不足する新興国での医療にも活用できそうだ。

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健康状態や病気の進行具合を分析するネイル型センサー

機械学習を用いて、爪の動きから健康状態や病気の進行具合を分析するネイル型センサーをIBMが発表した。

爪の曲がり具合や動き、握力を測り、パーキンソン病患者の投薬の影響や総合失調症患者の症状、心血管など個人の健康状態を分析可能だ。

日常生活で継続的に患者の病状や健康状態を観測することで、患者の状態の把握や病気の発見に役立てられるという。

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