日々、目まぐるしく進化、発展を遂げるAI(人工知能)業界。さまざまな企業が新しいサービスを開始したり、実験に取り組んだりしている。
そこで本稿ではLedge.aiで取り上げた、これだけは知っておくべきAIに関する最新ニュースをお届けする。AIの活用事例はもちろん、新たな実証実験にまつわる話など、本稿を読んでおけばAIの動向が見えてくるはずだ。
AIが「年収を上げる食事」を提案、仕事内容や生活習慣などを分析
株式会社シグナルトークは1月29日、AIが年収を上げる食事をアドバイスするサービス 「WorkUp AI(ワークアップAI)」の正式スタートを発表した。
ワークアップAIは、専用アプリをPCにインストールするだけで、カメラやキーボードタッチなどを通して、PC業務のワークパフォーマンスを自動計測。AIが独自のメソッドにより、パフォーマンス向上に必要な栄養素を含む食生活をアドバイスするというものだ。
千葉県・船橋市役所で職員の問い合わせに自動応答するAIを実証へ
株式会社マインドシフトと船橋市は2月4日、市役所内の問合せ自動対応による業務効率化に向けた実証実験を開始すると発表した。
この実験では、マインドシフトが提供するAI(人工知能)チャットボットサービス「LogicalMind」によって、市役所内職員からの問合せの対応を自動化して業務効率化検証を実施する。
イヤホン型脳波計で深層心理をAIが解析、耳から心地よい状態に誘導
VIE STYLE株式会社(ヴィースタイル)は2月4日、北陸先端科学技術大学院大学とヴィースタイルが開発するイヤホン・ヘッドホン型簡易脳波計から測定された脳波および生体情報により、ユーザーの深層心理を解析しAIを構築する共同研究の開始を発表した。
ヴィースタイルは、次世代のプロダクトとして心と体を整えるI.o.H.デバイス(生体情報を取得するデバイス)および生体情報を活用してサービスを提供するI.o.H.ウェルネスプラットフォームを開発している。
I.o.H.ウェルネスプラットフォームとは、音楽や映像コンテンツを視聴中のユーザーからヘッドホンやイヤホンにより生体情報を取得。AIが解析してユーザーの深層心理を推定する。レコメンデーション機能等に反映することで、ユーザーに個別最適なコンテンツを提供し、ユーザーを心地よい状態(ウェルビーイング)に誘導サポートする機能を備えたプラットフォームだ。
コロナウイルスの感染状況をツイッターなどで監視し人工知能が分析
株式会社Spectee(スペクティ)は2月6日、TwitterやFacebookなどのSNS情報をもとに新型コロナウイルスによる肺炎の広がりを解析するシステムを開発したと発表。あわせて、関係機関に納入したことを明かした。
スペクティでは、SNSをリアルタイムに解析し、災害情報・危機管理情報を抽出、配信するサービスを展開している。すでに官公庁や地方自治体、民間企業など国内約300社以上に提供しているという。
AIによって「高糖度トマト」の生産に成功、低負担かつ安定栽培へ
株式会社Happy Qualityは2月5日、静岡大学との共同研究である、AI(人工知能)の判断に基づく灌水(かんすい)制御によって糖度トマトを高い可販果率での生産成功を発表した。
研究開発と実証実験の結果、AIの判断に基づいた灌水制御では平均糖度9.46の高糖度トマトを、バラつきを抑えて容易に栽培できることを示した。さらに、急な天候変化に追従した適切な灌水制御によって、従来の日射比例方式による灌水制御に比べ果実の裂果を大幅に減らし、高糖度トマトを高い可販果率(95%)で生産できることも確認している。
AIに関わる膨大な調査データを網羅した「AI Index」2019年版が公開
スタンフォード大の研究者らが、AI関連の研究開発や経済、教育、各国の動向など多様なデータをまとめた「AI Index」の2019年版を発表している。
2019年版の本レポートの情報量は、2018年版の3倍にものぼるという。すべてのデータに目を通すのは至難の業のため、よりレポートを簡単に読み解ける各種ツールも公開された。
小田急線の踏切でAIが異常検知、事故を未然に防ぐ監視体制目指す
小田急電鉄株式会社は2月6日、ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社の「カメラ映像とAIによる異常状態検知システム(スペースタイムシーンアナリティクス)」を用いた踏切内の安全性向上を目的とした実証実験をすると発表した。
将来的にはAIによる解析結果を用いて、付近を走行する列車を自動で停止させるなど、踏切での事故を未然防止できる監視体制の構築を目指している。
シャープ、小学校でAI教育を実施 ロボホンのカメラで画像認識を体験
シャープは2月7日、コミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した小学校向けAI(人工知能)教育プログラムの開発を発表した。
東京都小金井市立前原小学校(5年生を対象)で2月10日から3月4日(予定)まで実証授業を実施する。
児童は、自身の表情や特定の物体などをロボホンのカメラで連続撮影し本ソフトに学習させる。これにより、類似の画像をロボホンのカメラで認識させると、特定の返答や動作をするプログラムを作成できる。また、一連のプログラム作成体験を通して、AIについての理解を深めるとともに、児童自身がAIの利点や課題を考える機会を提供するという。