農家の収益2倍へ、自動収穫ロボ活用:人工知能ニュースまとめ7選

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日々、目まぐるしく進化、発展を遂げるAI(人工知能)業界。さまざまな企業が新しいサービスを開始したり、実験に取り組んだりしている。

そこで本稿ではLedge.aiで取り上げた、これだけは知っておくべきAIに関する最新ニュースをお届けする。AIの活用事例はもちろん、新たな実証実験にまつわる話など、本稿を読んでおけばAIの動向が見えてくるはずだ。

マイクロソフトが非営利団体などを支援する医療向けAI事業を発表

マイクロソフトは米国時間1月29日に、世界中の人々と地域社会の健康に貢献する「AI for Health」を発表した。AI for HealthはAIによって研究者や研究組織を支援し、世界中の人々や地域社会の健康を向上することが目的のプログラムだ。

AI for Healthは、ヘルスケア分野におけるマイクロソフトの広範な活動を補完する慈善活動のひとつ。AI for Healthを通して、特定の非営利団体や大学などと、マイクロソフトの主要なデータサイエンティストとのコラボレーション、AIツールとクラウドコンピューティングへのアクセス、および助成金などのサポートを提供するという。

進研ゼミでもAIで学習、中学講座にLINEの「Clova」採用


株式会社ベネッセコーポレーションは2月10日に、同社の通信講座「進研ゼミ中学講座」の2020年4月号から個別対応を強化すると発表した。具体的には、専用タブレットで学習するハイブリッドスタイルコースをリニューアル。専用タブレットにLINE株式会社のAIアシスタント「Clova」を搭載し、「AI学習アシスタント」として勉強中の疑問解消や学習法アドバイスをしていく。

「学校の部活が忙しすぎる」と話しかけると、目標学習数の調整を提案し、継続的な勉強ができるようにアドバイスする。すべてのレッスンを消化するのではなく、一人ひとりの勉強意欲に沿った学習サポートを提案していくそうだ。

「がん」を瞬時に判定するAI登場、正答率は病理専門医に迫るほど

広島大学の有廣光司教授、加藤慶ならびにメドメイン株式会社の飯塚統、Fahdi Kanavati、Michael Rambeau、常木雅之(責任著者)による「胃・大腸における上皮性腫瘍の病理組織学的分類を可能にするAIモデルの開発」に関する論文がNature Publishing Group刊行の「Scientific Reports」より出版されたことが2月3日に明らかになった。

開発には、スーパーコンピュータシステムが用いられ、試験データによる検証の結果、機械学習の精度の評価に用いられる指標「AUC」がいずれも0.96以上(1に近いほど判別能が高い)という、きわめて高い精度(病理専門医の正答率に肉薄した精度)を得るに至ったとのこと。

農業者の平均年齢67歳、野菜を自動収穫するロボットで収益2倍に

AGRIST株式会社(アグリスト)は1月31日にAIを活用した農産物の自動収穫ロボットを開発。今年1月からビニールハウスで運用を開始していると発表した。これは、収穫量の向上を実現し、農家が抱える課題を解決するロボットだそうだ。

アグリストの公式サイトによれば、同社のロボットは「感覚的に農家さんが操作できるユーザーインターフェイスを実現します」とうたっている。ボタンひとつで動き出し、バッテリーの充電や再生停止も1クリックで可能。シンプルな構造にしたからこそ、農家に対して低価格でサービスを提供できる。

全滅リスクがあるチョウザメ養殖、ソフトバンクらがAIなどで研究

国立大学法人北海道大学大学院水産科学研究院とソフトバンク株式会社は2月13日、今年2月からIoTやAI(人工知能)を用いたチョウザメのスマート養殖共同研究プロジェクトの開始を発表した。このプロジェクトでは低コストかつ効率的な養殖方法の確立を目指している。

主な研究は、機械学習(Machine Learning)を用いるチョウザメの個体識別や行動分析だ。異常行動の早期発見、病気のまん延防止、水流停止や餌の供給過多のような養殖環境の異常を検知し、全滅を防ぐ方法の研究をする。

訪日外国人には自動販売機が難しい?

JR東日本ウォータービジネスは2月13日に、「インバウンド向け多機能自販機」の実証実験を3月19日から開始することを発表した。自動販売機にAIを搭載し、多言語での案内・説明に対応する。

自動販売機の使い方から、商品の詳細情報、決済方法など、日本語以外に英語・中国語・韓国語で案内できる。また、顔認識システムを備えたカメラの搭載によって、利用者の性別や年齢層など属性の識別が可能だ。識別した属性、外の気温、時間帯それぞれに応じたおすすめの商品を紹介するのも特徴のひとつ。

子どもの「裸の自画撮り被害」をAIで防止する格安スマホが発売

株式会社ドリーム・トレイン・インターネットが運営するトーンモバイルは2月14日、AIによって裸などの自画撮り被害を防ぐカメラを搭載したスマートフォン「TONE e20」の発売を発表した。発売日は2月20日で価格は1万9800円(税抜)。

自画撮り被害の抑止を目的として、裸やそれに近い服装など撮影時にAIが不適切な画像と判定した場合には、シャッターを切る、もしくは動画を撮影していても、画像および動画が本体や各種クラウドサービスには保存されなくなる。