マウスだけでAIを作れるツール登場:人工知能ニュースまとめ8選

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日々、目まぐるしく進化、発展を遂げるAI(人工知能)業界。さまざまな企業が新しいサービスを開始したり、実験に取り組んだりしている。

そこで本稿ではLedge.aiで取り上げた、これだけは知っておくべきAIに関する最新ニュースをお届けする。AIの活用事例はもちろん、新たな実証実験にまつわる話など、本稿を読んでおけばAIの動向が見えてくるはずだ。

おいしい鯖を養殖するためにAIやIoTが使われている

KDDI株式会社は2月14日、「鯖、復活」養殖効率化プロジェクトに関して2019年の成果と新たに開始した取り組みについて発表した。このプロジェクトは2017年からKDDIと小浜市などが産学官連携して進めている。

センサーで取得したいけすの水温、酸素濃度、塩分などのデータをAIを使って分析し養殖におけるノウハウのマニュアル化に取り組んだ。さらに、魚が食べたいときに食べたいだけ自発給餌するシステムや、水中カメラによる魚体サイズの推定にも取り組んでいる。

サイバーとNHK、ディープラーニングを親子で学ぶワークショップを開催

サイバーエージェントの子会社である小学生向けプログラミング教育事業の株式会社CA Tech Kidsは、NHKエンタープライズと共同で、小学生とその保護者を対象とした親子向けワークショップ「親子で学ぶディープラーニング」を開催する。

カードを用いたゲームで画像認識の基本的な仕組みを学ぶほか、山梨大学・株式会社エクスビジョンが本イベントの為に独自制作したディープラーニングロボットに自身の顔を認識させ、主人にだけついてくる「ペットロボット」の開発を行い、その正確性をチームごとに競い合う。

ディープラーニングを、ゲームやレクリエーションを通じて体感できる内容になっているという。

高齢ドライバーの運転技能を機械が判定、危険を検知したら音声通知

高齢ドライバーの安全運転を支援するために、オムロン株式会社と近畿大学は2月13日に「リアルタイム運転技能診断システム」の実証実験の開始を発表した。教習所向けのプロダクトとなっていて、70歳以上の免許更新時に実施される「高齢者講習」における実車指導時に活用される見込み。

カメラやセンサーから出力されるドライバー画像、位置情報、加速度などの情報を組み合せて、リアルタイム運転技能診断システムが自動で運転技能を評価する。危険運転を検知した場合、音声によってリアルタイムで通知する仕様だ。

ホテルでよくあるWi-Fi接続できない問題、話しかければ解決へ

ブリッジ・モーション・トゥモロー株式会社(以下、BMT)は2月18日、新たに開発したホテル向け客室用AIスピーカーを発表した。このAIスピーカーはかゆいところに手が届く、そんな製品なのだ。

いわゆる「スマートスピーカー」などとも呼ばれる製品群のひとつで、ほかの製品同様に音声で操作できる。客室に設置され、“ホテルあるある”的な質問を音声で問いかけると、それに対する回答をもらえる。

主な対応可能質問は以下。
・Wi-Fiのパスワードを教えて
・チェックアウトは何時?
・コインランドリーはどこ?
・タクシーを呼んで
・朝食は何時から?
・レストランはどこ?
・テレビをつけて
・電気をつけて
・フロントに電話して

AIがアニメを高解像度に変換 HDは4Kに、フルHDは8Kに


株式会社ラディウス・ファイブはAIによってアニメーションを高解像度に変換できるサービス「AnimeRefiner」の開始を発表した。独自のAIモデルによって、アニメを縦横4倍のサイズに高解像度化できる。

AnimeRefinerはDeep learning(深層学習)を活用することで、従来の画像を引き伸ばして中間を補間する変換(アップコンバート)技術では不可能だった高品質な状態での高解像度化が可能だ。

HDサイズのアニメなら4Kサイズ以上に、またフルHDのアニメなら8Kサイズにまで変換できる。

プログラミング不要のAI開発ツール登場、マウスで操作するだけ

株式会社ヒューマノーム研究所は2月18日、「Humanome Eyes Workstation(ヒューマノーム・アイズ・ワークステーション)」の販売開始を発表した。ヒューマノーム・アイズ・ワークステーションは、プログラムを1行も書くことなくボタン操作で開発可能なプラットフォームだ。

人工知能開発に適した高性能ハードウェアに、AI学習環境とプログラミング不要なアノテーションツールをセットアップ。ツールを受け取ったその日から物体検知AIの開発に専念できる環境になるそうだ。

無料でAIが写真や画像を「アート」に変換するサービスが良い感じ

「写真AC」や「イラストAC」など、デザインに少しでも携わる人なら知っているサービスを運営するACワークス株式会社は2月6日、人工知能がアート画像を作成する「ACartist」を公開した。

ACartistは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた画像のスタイル変換AIが、アップロードした写真スタイル(画風)を自動で別の画像のスタイルに変換するサービス。要するに、好きな写真や画像をアップロードして、あらかじめ用意されているスタイルを選択するだけで、アートっぽい画像を生成する、というものだ。

東京都水道局では「お客様対応時」の回答例候補をAIが出している

東京都水道局は2月19日から、AIを活用したお客様対応を開始した。ただし、あくまでも「活用」するだけであって、受け答えするのはオペレーターのようだ。

問い合わせの内容に応じて、回答例の候補などの有益な情報をリアルタイムでオペレーターが見る画面上に表示する。オペレーターは回答候補となる表示内容を確認し、問い合わせに回答するだけなので、迅速かつ的確な対応ができるようになる、とのこと。