マイクロソフト、機械学習の教材を無料公開:今月のAIニュース8選

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画像はUnsplashより

日々、目まぐるしく進化、発展を遂げるAI(人工知能)業界。さまざまな企業が新しいサービスを開始したり、実験に取り組んだりしている。

そこで本稿ではLedge.aiで取り上げた、これだけは知っておくべき、7月掲載のAIに関するニュースをお届けする。AIの活用事例はもちろん、新たな実証実験にまつわる話など、本稿を読んでおけばAIの動向が見えてくるはずだ。

経済産業省のAI人材育成事業「AI Quest」 評判の良い理由は「学んで終わりではない」内容構成

日本国内でAI活用が進まない大きな理由のひとつに「AI人材の不足」が第一に挙げられる。これは、中小企業だけでなく大企業にも言える話だ。

政府としても現状を打開するために政策を打ち出している。そのなかのひとつに経済産業省が推進するAI人材育成事業「AI Quest」がある。

虫歯の要因は「両親の虫歯の有無」が1位、「現在の歯磨き回数」は因果関係確認できず AI活用で調査

株式会社NEXERは、男女3000人を対象にした「虫歯の要因」に関する調査結果を発表した。本調査ではAI(機械学習)を活用し、虫歯になりやすい行動・要因を分析している。アンケートの実施期間は6月10日〜6月21日。

本調査では、「両親の虫歯の有無」や「子どもの頃の歯磨き回数」などが虫歯の発生に大きく影響していることがわかった。一方で、「現在の歯磨き回数」や「歯間ブラシやデンタルフロスの使用有無」といった、健康な歯のための努力と虫歯の発生の間には相関関係を確認できなかった。

マイクロソフト、初心者向けの機械学習カリキュラム無料公開 12週間で学習できる

米マイクロソフト(Microsoft)は、GitHub上に無料のカリキュラム「Machine Learning for Beginners(初心者のための機械学習)」を公開した。本カリキュラムは12週間/24レッスンで学習できる。

本カリキュラムはあらゆる年齢層の人が機械学習の基礎を学べることを目的に公開しており、主にScikit-learnライブラリを使用して「古典的な機械学習」について学習できる。

Windows 10上で無料利用できるAI-OCR 認識精度は95% 認識枚数は制限なし

シー・システム株式会社は7月7日、Windows 10上において無料で利用できるAI-OCR「AI JIMY OCR」をMicrosoft Storeで提供開始したと発表。AI-OCRにより、申請書やアンケート用紙といった書類中の文字やチェックボックス、QRコードなどを認識できる。

エッジコンピューティング技術により、ローカルPCに搭載したAIを用い、画像を処理する。社内の機密資料を他社サーバーにアップロードする必要がなく、サーバー設置などは不要で現在持っているPC環境で利用開始できる。

「日本はAI倫理がとても弱い」東大の文系教授がAI社会に鳴らす警鐘

2015年には「Google フォト」でアフリカ系(黒人)の女性をゴリラと認識した「ゴリラ問題」を受け、米グーグルが大きな非難を浴びた。また、2018年には米AmazonがAIを活用した人材採用システムが女性差別をしていたとして、同社はプロジェクト中止を発表した。このような問題はなぜ起こるのだろうか?

今回は、東京大学 理事・副学長(国際・ダイバーシティ担当)であり、東大とソフトバンクによるAI研究機関「Beyond AI 研究推進機構」において、「B’AI Global Forum:AI時代における真のジェンダー平等社会の実現とマイノリティの権利保障のための規範・倫理・実践研究」の研究リーダーを務める林香里教授に話を聞いた。

手書き文字を認識できるAIを無償公開 自社サービスでAI OCRが利用可能に

株式会社ユーザーローカルは6月28日から、手書き文字を含む画像からディープラーニング(深層学習)で文字を読み取る「ユーザーローカル 手書き文字認識AI」を無償で提供開始した。日本語の手書き文字をAIで認識し、テキストデータに変換できる。

本AIはひらがな、カタカナ、常用漢字、英字、記号といった手書き文字を認識可能。手書き特有のくずし字、略字のような文字でも認識できる。これにより、WebAPIの資料どおりに実装することで、自社サービスに手書き文字の認識に対応したOCRを組み込み、誰でも無料でAI OCRが利用可能になる。

国立国会図書館、来春までに247万点・2億2300万枚超の資料を全文テキストデータ化へ

LINEは、国立国会図書館(東京都千代田区)のOCRテキストデータ化プロジェクトに、同社の「CLOVA OCR」が採用されたと発表した。昭和前期以前の資料を中心にした247万点、2億2300万枚を超えるデジタル化資料が2022年3月までにテキストデータ化される。

国立国会図書館では「ビジョン2021-2025 国立国会図書館のデジタルシフト」の一環として、デジタルで全ての国内出版物が読める未来をめざし、デジタル化資料をテキストデータ化する取り組みを進めている。

1000文字以上を65文字にする無料の文章要約AI、文章の重要な箇所と構造を把握可能に

株式会社バズグラフは6月30日、ニュース記事に特化する文章要約AI「ニュースタンテキ」β版(無料)に、要約した文章の「ニューラルマップ(文章構造図)」をサイト上で閲覧できる機能を追加したと発表。

「ニュースタンテキ」は、最大1万文字まで要約でき、10%~90%の文章要約圧縮率を選択可能。文章圧縮要約率が10%だと、1146文字の文章を65文字に要約できる。URLによる本文抽出機能も備えている。

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