Preferred Networks、キカガク×オトナルもインターン募集開始。どうなるAI人材の就活

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Photo by Brooke Cagle on Unsplash

ディープラーニング、機械学習を学び、実装まで可能なインターンの募集が開始している。

E資格取得を目指す「Deep Learning Internship Program」

音声UX/UIサービスにおけるAIを開発するオトナルと、機械学習の教育、コンサルティング事業を運営するキカガクは、2019年4月~2020年3月の1年間に渡って就業するインターンシップ「Deep Learning Internship Program」の募集を本日26日から4月12日まで行う。

株式会社オトナル代表八木氏(左)、株式会社キカガク代表吉崎氏(右)
出典:オトナルプレスリリースより

対象となるのは、コンピュータサイエンスを専攻、もしくは機械学習を研究で利用する学生だ。

機械学習の教育事業を運営するキカガクが、ディープラーニングを実装できるエンジニア育成を目的とした検定資格「JDLA Deep Learning for ENGINEER(E資格)」を取得するための認定プログラムの受講機会、資格試験の受験機会を提供する。

E資格
一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営する資格。ディープラーニングに関する知識を有し、適切な手法を選択し実装できる能力を持つ人材の育成を目指す。必要な知識やスキルセットを定義し資格試験を行い、協会が認定した事業者がトレーニングを提供する。

並行し、オトナルのインターンシップ生としてディープラーニングを活用したサービスの企画や開発の実務を行う実践の場を提供する。

出典:オトナルプレスリリースより

E資格受験に必要なハンズオンセミナーの受講料(通常価格10万円)、E資格受験料(通常20万円)は、両社が全額負担する。

プログラムの採用枠は3名と狭き門。しかし、学習機会、実践機会の両方を体験できるプログラムは貴重だ。志望者はこちらから申し込める。

Preferred Networksはサマーインターンの募集を開始

出典:Preferred Networksプレスリリースより

Preferred Networksもサマーインターンを3月25日から4月18日まで募集している。対象は

  • 高校生
  • 高専生
  • 大学生
  • 大学院生
  • その他高等教育機関に通っている人

など、幅広い。

Preferred Networksのリソースをフルに活用して幅広い分野に挑戦できるのが魅力だ。機械学習のみならず、コンピュータサイエンスの幅広い分野から、新しい技術、ソフトウェア、サービスを創り上げることができる。

同社が挙げている特徴は以下の通り。

  • 深層学習、コンピュータビジョン、自然言語処理、ロボティクス、バイオヘルスケア、強化学習、分散処理など、様々な分野の弊社スペシャリストがメンターとなり、2ヶ月の長期にわたって一緒に議論・研究・開発を行う
  • インターン実施中に研究成果としてすぐれた結果が出た場合、公開可能な範囲でインターン後にOSSや論文にすることも可能

インターン実施期間は8月初旬(各人のスケジュールを考慮して決定)から9月20日 まで。扱えるテーマは以下の通り。選考終了後、PFNメンバーと相談の上、取り組むテーマを決定する。

  1. 機械学習/深層学習の理論研究
  2. 三次元空間を扱うコンピュータビジョン
    三次元ニューラルネット(微分可能レンダラー・ニューラルネットを利用した三次元再構成)の研究開発
    自己位置推定・3次元復元技術の開発
    Visual-SLAM

  3. 動画を扱うコンピュータビジョン
    動画解析(スポーツ映像など)

  4. その他、コンピュータビジョン全般
    物体検出
    セグメンテーション
    画像分類
    小数例での学習
    画像生成

  5. 深層学習のアニメーション応用・クリエイター支援
  6. 強化学習全般
  7. 機械学習アルゴリズムの応用(数理最適化、シミュレーション、時系列予測など)に関する研究開発
  8. バイオヘルスケア
  9. ケモインフォマティクス / マテリアルズインフォマティクス
  10. 対話・意味解析・記号接地・推論・翻訳
  11. 音声・信号処理
  12. インターフェース・インタラクション
    仮想現実・拡張現実
    ヒューマンコンピュータインタラクション・ヒューマンマシンインタラクション・ヒューマンロボットインタラクション

  13. ロボティクス-ロボティクスのための深層学習/深層強化学習
  14. ロボティクス-ロボットシミュレーションの研究開発
  15. ロボティクス-移動ロボットの行動計画
  16. ChainerとChainerライブラリの開発
    Chainer本体の開発
    CuPyの開発
    ChainerCV, ChainerRL, ChainerChemistryまたはChainerUIなどの、Chainerベースの分野特化ライブラリ開発

  17. 機械学習等の性能最適化に関する研究開発
    推論のためのNNモデル性能最適化
    深層学習のためのコンパイラ技術開発
    独自アーキテクチャ採用アクセラレータ向けアプリケーション開発
    深層学習のためのプロセッサ開発・低消費電力アーキテクチャ/VLSI技術開発

  18. 機械学習を支えるインフラの研究開発
    分散深層学習/深層学習のためのHPC・分散データ管理
    機械学習のための実験環境効率化・クラスタ管理・実験管理システム開発
    Edge Heavy Computing/In-Network Computingの研究開発
    Optuna 開発

  19. 機械学習パイプラインの自動化に向けた研究
    機械学習パイプラインの自動化に向けたハイパーパラメタ最適化・アーキテクチャ探索・特徴エンジニアリング等に関する研究

  20. フロントエンド開発
    機械学習のための情報可視化ツール・フロントエンドの開発など

  21. プロダクト・デザイン
    ロボット製品のコンセプト・スケッチ・ユーザーインタラクションのデザイン
    3D-CADモデル作成とハードウェア・プロトタイプの制作

  22. その他
    上記以外の持ち込みのテーマ。自身でテーマ設定をして研究を進められる熱意と能力のある人の応募を歓迎

    こちらはE資格受験の補助などはないものの、PFNのインターンの選考に通った時点で、一定のスキルを保持していると思われるため、AI人材の今後のキャリア形成に役立つことは間違いない。

    応募はこちらから。昨年までに応募した人も再度応募が可能(既に過去のインターンシッププログラム参加者は除く)だ。なお、募集人数は明かされていない。

    AI人材のキャリア形成としてのインターン

    3月1日から就活が解禁されたが、1月1日時点ですでに2020年卒業予定の学生の内定率は4.7%に上り、経団連の定めた「就活ルール」は形骸化している。経団連はインターンと採用選考を直結させないよう求める指針を出しているが、実態はインターンが事実上の選考を兼ねている企業は多数ある。

    AI業界も同様だ。もともと経団連の指針の影響下にないベンチャー企業が多いAI業界の企業は、通常通りインターンを行い、良い成績を残した学生を採用したいはずだ。

    学生にとっても、まだまだロールモデルが少ないAI人材のキャリア形成においては、持てる武器はすべて使って就活をすべきだろう。

    Source:
    最先端のAI技術を学びながら資格取得も実践にも挑戦できる 画期的なインターンシッププログラム 「Deep Learning Internship Program」を開始
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