ポイントカードにAI? 最先端のO2Oマーケティングを可能にするプラットフォーム『TAMECCO』

人工知能を搭載した次世代型ロイヤリティープラットフォーム『TAMECCO』
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おはようございます。アズマです。

みなさんポイントカードってお持ちですよね?サービスを受けるとポイントが貯まる、あのカード。

この仕組みをデジタル化。って…たいした話には聞こえないのですが、じつは裏で人工知能がガリガリゴリゴリ動いておりました。

今回は、吉野家やはなまるうどんそれに幸楽苑など有名店で使える人工知能を使ったポイントシステム『TAMECCO』を提供するタメコ株式会社の取締役Moowi Kimさんにお話をうかがってきました。

ポイントカードの限界を超えた高度なポイントシステム

―まずは「TAMECCO」を作った理由から教えていただけますか。

Kimさん

―Kim
やはり、あんなにかさばるポイントカードって邪魔じゃないですか?それがなくなるんだったらこんなに素晴らしいことはないですよね。

Kimさん曰く、いままでのポイントカードには3つの難点があったそう。

  1. カードは持つのも出すのもめんどくさい。出す時に周りの目が気になる
  2. 店舗サイドに作業負荷が増える施策は導入が進まない
  3. 共通ポイントは導入店舗同士だとロイヤリティーが高まらない

これら難題をすべて克服したのが「TAMECCO」なんだとか。

  1. アプリをダウンロードするだけ(お店に入った時にいちいち起動させる必要なし)
  2. 店舗スタッフの作業負荷なし(専用端末を電源コンセントに差すだけ)
  3. ポイントサービスのプラットフォームを提供(各店舗が独自の来店スタンプを付与できる)

ユーザーはアプリをダウンロード・ログインするだけでデバイスをスリープ状態にしていても、お店に来店しサービスを受ければポイントが付くということでした。

いったい、どういう仕組みなのでしょうか?

デバイスのセンサーを複合的に使ったアルゴリズム分析

―デバイスをスリープ状態にしていても、スタンプが貯まるというのはどういった仕組みなんですか?ちょっと想像がつかないんですが…

Kimさん

―Kim
んー…企業秘密なのであまり話せないですが…

と言いつつ、粘ったかいがあり少しだけ教えてくれました。

GPS、Wi-Fi、Bluetooth、及びその他デバイスに入っているセンサーを複合的に使って、独自アルゴリズムで解析するんだそう。

それによって、ただポイントをスタンプするという機能だけではなく、どこの店に来店した、退店したというユーザー行動が詳細にわかるということでした。

TAMECCOにはどのセンサーがどの行動側面(たとえば入店、着席、など)を検知するのに最適か、というノウハウが豊富に蓄積されているそうです。

いやはや…すごい。

ノイズをフィルタアウトした正しいデータベース作成

Kimさん

―Kim
でも、ただサーバーにデータを送るだけじゃダメなんですよ。

シグナルインプットには、普遍的にノイズが混じるそう。たとえば入店せず、店舗前を通り過ぎただけなのに入店と認識しそうになったりとか、またはもう店をでているのに、店内に滞在中と誤認してしまったりとか。

TAMECCOが独自に書いたサーバーアルゴリズムが、これらのノイズもフィルタアウトして正しい行動解析をしているそうです。

来店スタンプの自動取得でスマートにロイヤリティを高めるのに加え、TAMECCOはパーソナライズされたクーポンのリコメンド配信により、ユーザー体験の最適化を目指しているとのこと。TAMECCOがユーザー体験最適化のために分析対象とするデータは非常に広範囲で、

  • 明示的なデータ(スタンプ取得履歴やクーポン引換え履歴など実際に行動したデータ)
  • 暗示的なデータ(物理的な来店行動やエリアに関するデータ)
  • クラスタデータ(同じ属性のユーザーに関するデータ)

これらそれぞれのデータを独自アルゴリズムで分析し、1人1人のユーザーに対し販促内容やタイミングにつき最適解を導くよう開発を進めているそうです。

最適解が違っていても、間違ったという事実を人工知能を使ってさらに機械学習する。なんどもなんども繰り返すことで最適解を導き出すためのプロセスを人工知能を使って築きあげていくんだとか。

それによりパーソナライズされた1to1のコミニュケーションが実現できるということでした。

現実世界でAmazonを作る為には?

―リアルアナリティクスを使ってパーソナライズし、Just in Timeな1to1コミニュケーションが可能だと…

Kimさん

―Kim
そうですね。私たちはAmazonがネットでやっていることを現実世界でやろうとしているんです。

webと違って難しいのは現実世界の小売りにはまだまだ大は小を兼ねるといった発想が根強く(販促の)パーソナライズという考えが弱いそうです。

チラシの掛け捨て文化でとりあえず全員に送れるだけ、無関係な人にもガンガン送る。必要なものを必要なときに必要なぶんだけという概念が、「AI」や「オムニチャネル」がもてはやされて久しい昨今でもなかなか浸透していないんだとか。

現実世界でTAMECCOが広がれば消費者と提供者、お互いにとってありがたい。そんなシステムになりそうです。

さいごに

ポイントカード、メンバーカード、etc…カードがこの世から無くなると言われて早数年。僕の財布の中にはまだまだ色々なカードが入っています。

すごく壮大なビジョンに思いますが、ゴールドマンサックスや米国弁護士、そして某有名買収ファンドを経て全力フルコミットしているKimさん曰く

“技術力と情熱で突破する”とのこと。

こういった情熱から世界は変わるのかも知れないと思えたインタビューでした。

Kimさんお忙しいところありがとうございました。