株式会社AIdeaLabは、同社が開発した深層学習を用いたフォント生成システムの特許を出願したことを発表した。
従来、フォント制作は細かい手作業であるうえ、日本語においては、英語圏のフォントと比べて膨大な数の漢字を個別に制作する必要があるため、制作期間が長期にわたっていた。
AIdeaLabは、こうした課題を受け、AIを活用したフォント生成システムの開発に着手した。この技術を活用して、手作業で行われてきたフォント制作をAIで補佐し、フォント制作を短時間で実現させることを目標としている。
本技術は、生成モデルの一種である敵対生成ネットワーク(GAN)をベースに用いて開発した。
本技術のフォント生成モデルには大量のフォントを学習させており、手作業で数個の文字をデザインするだけで、太さや形状などの特徴を抽出し、入力パラメータとして使用してフォントを生成する。加えて、入力パラメータの値を調節することで新たなフォント生成が可能である。さらに、独自の技術によって、モデルの出力をピクセル画像ではなくベクター画像として生成するため、フォントファイルへの出力ができる。
今回の特許出願ではフォント生成の技術に加え、アプリケーションUIも含まれている。フォントの特徴を司るパラメータを調整してフォントを生成するUIや、少ない文字数でフォントを生成するUIなど、さまざまなパターンのサービス展開を見据えて特許出願を行ったという。
今後は、特許出願技術を元に、フォント制作会社向けにフォント生成を補佐するソフトウェア開発を予定している。それらによって、これまで職人技で膨大な時間を要していたフォント制作が飛躍的に短縮するだろう。
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