現場で成果を上げ始めた AI×ビジネスのガチ活用事例が学べる厳選スライド3選

このエントリーをはてなブックマークに追加

やれAIだ!ディープラーニングだ!なんて言われても、いまいちピンと来ないって方、まだまだ多いですよね?   僕もです。

知ってるけど、分かってるけど、じゃあ来月の企画会議やブレストで提案するか?というと…?まぁ、正直あんまり無いと思います。ちょっと未来すぎて。遠すぎて。。

というわけで今回は、一足早くその辺の技術をサービスにゴリッと導入 ⇒ コストカットやユーザー体験の面で大きな成果を上げた事例を厳選して3つほどご紹介。

いちいち解説読むのも面倒!という忙しい方向けにスライド&要約スタイルでお送りしてみようと思います。

ホットペッパービューティ×画像解析AIの仕組みと狙い、実プロジェクトの困難ポイントまるわかり

ざっくり内容紹介

  • ユーザーの「感覚」を分析し、サービス改善するためにCNNを採用。その流れと仕組みの解説(超わかりやすい)
  • ホットペッパービューティにおけるネイル検索で『似ているネイル』を掲出するためにCNNを活かした事例紹介
  • 学習データがない!判別精度が上がらない!類似度計算にノイズが!などのリアルにぶち当たった課題とリアル解決策の解説
  • オウンドメディア:ギャザリーにおける不適切画像NG処理事例とその過程の紹介

スライドの作成者がビッグデータ絡みのプロであるという事もあり、「AI入れたらこんだけ改善したよー!」みたいな上っ面の話になっておらず、もうムチャクチャ現場な話が紹介されています。

理屈は分かった。で、実際やるとしたらどんな問題が発生して、そこをクリアするためにどれくらいの人がどれくらい頑張ればどうできるものなのか?という切り口でAI導入事例を解説してくれる非常に珍しいスライド。

やや全体の構成は長いですが、読み応えはバッチリです。

ホットペッパービューティ×画像解析AIの仕組みと狙い、実プロジェクトの困難ポイントまるわかり

ネイル画像の判別精度18%から、内部でゴリゴリ学習データを(ネイル知らない男性チームが)作りまくってパラメータを探し、正体不明の謎リストデータを量産しつつ、文字通り「なんとかする」までのストーリーは必見。

画像解析についての技術解説部分もシンプルに分かりやすくまとめてくれています。

国内最大級のファッションアプリ『iQon』における画像解析・分類事例紹介スライド

ディープラーニングを使って商品カテゴリの分類をしてみました

ざっくり内容紹介

  • アパレル商品を名前やタグ、説明文で分類する限界について
  • ディープラーニングのモデルと判定器アルゴリズムをどう選ぶか
  • 効率的な学習用データをどうつくり、どう読み込ませたかのスマートな紹介
  • クローラーへの組み込み方法についてもしっかり紹介
  • なんと実際のサーバー構成(簡易なものですが)まで公開してくれています

アパレル系サービスにおいて実際に遭遇した「テキスト情報からだけじゃ自動で商品カテゴリ分けできないじゃん!」というリアルな課題に、ディープラーニングで挑み、見事に解決するまでのお話。

おそらく僕のような ”よく分かってない人” 向けに作られたのか、非常にわかりやすく順を追って教えてもらえる構成がありがたいです。

国内最大級のファッションアプリ『iQon』における画像解析・分類事例紹介スライド

かつての人力カテゴリ分けから、やがて普及した形態素解析でのテキスト判別&自動振り分け。そしてそれでも難しく人手と工数のかかってしまっていたであろう振り分け作業をAIにやらせてみよう…。という、何から手をつけたらいいのか良くわからない部分について、本当に明快に『ここからこの順番でやればいいよ』と理解させてくれます。

ビジネス上のインパクトとしてはコスト削減&UX向上だと思いますが、恐らくその効果は半端なものじゃなかったはず。一見の価値ありです。

ユーザーボイスを人工知能(ほか)で探りだしたりした話まとめスライド

ざっくり内容紹介

  • マーケティングリサーチから『協働』を生み出すサービス展開の設計思考と進めの方紹介
  • 口語体で書かれたユーザーボイス×数千部の分析で死にかける話
  • アンケートでは意見の解像度がボケる ⇒ ユーザーの声の集め方からその後の分析どうやったか解説
  • 教師ありAIの設計と、これによる自動判別について解説

またしてもリクルートさんのスライドなんですが、こちらは『マジ部』など、若年層向けコミュニティサービスにおける活用事例。先に言っておくと、正直あんまりAIやディープラーニングの話は多く語られていません。

が、実際の現場で普通なら『課題』として認識されない可能性が高いであろう項目(まぁ仕方ないよね…的な思考になってしまう部分)について、これでもか!と考え、ディープラーニングによる自動化含め施策と手法を検討し、結果実際の成果につなげるまでのストーリーは激アツ。

もうそのまんま真似したくなるレベルです。

結局どんな先進の技術も「人と金」あってのことだから

結局どんな先進の技術も「人と金」あってのことだから

さて、いかがでしたでしょう。まだスライド全部は見てない方も、スライドまで全部読んだよ!という方も、既に動き始めているAI×ビジネスのリアルな取り組みを肌で感じていただけましたでしょうか?

どんだけ便利って言っても、そこにはまぁ結局準備と座組が必要で、そこに流し込む資金がなくっちゃ動かない。

となれば、その課題を浮き彫りにしてお金を引っ張ってくる人がいないと何も始まらないし進まない。

で、その役割を担おうと思った時に、その当事者が語れるのって「その人自身が脳内でリアルに想像できることだけ」だと思うんですよね。大抵の場合。

いよいよGWですし、メモでもマインドマップでも書きながら じっくり読みこんでみる…ってのも、いいかもですよね。