【官民総力戦】日経新聞社主催のグローバルAIサミット「AI/SUM(アイサム)」開幕

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4月22日から24日にかけて、日経新聞社が主催するグローバルAIサミット「AI/SUM(アイサム)」が開催中だ。Ledge.aiは本イベントにメディアパートナーとして関わっている。

初日の開会式では安倍首相からののビデオメッセージも流され、「AIこそが次の時代を切り開く大きな鍵だ。官民で総力をあげ、世界の第4次産業革命を日本がリードしていきたい」とコメントした。

本稿では、初日の会場の様子と、いくつかのブースやセッションのサマリーをお伝えする。

高専生のハードウェア×ディープラーニングの事業化コンテスト「DCON」ブース

会場のひとつである丸ビル1階で目立ったのが、「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)」のブースだ。全国の高専から選抜された8つのチームが、ハードウェアとディープラーニングを組み合わせた事業アイディアを競う。

参考記事:【4/24】「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)2019」本戦開催

ブースには、その「作品」たちが展示され、初日は早稲田大学/産総研の尾形 哲也教授が、ブースを回り、技術審査を行った。

23日には東京大学 松尾教授による技術審査、24日には本選(最終審査)も行われる。そちらの様子もレポートするので、続報を待ってほしい。

大企業のAI適用戦略と人材

メインホールでは「大企業のAI適用戦略と人材」をテーマとしたセッションが開催された。

AI導入を急ピッチで進める企業が多いなか、資金力のある大企業でも苦戦を強いられている現状に、どう対処すべきかが語られた。

AI人材育成のための法人研修サービスを提供する株式会社STANDARDの石井 大智氏は、優秀なAI人材は、総合職として一括採用をする大企業よりも、AIでやりたいことが明確なベンチャーに流れてしまう傾向にあるという。

AIで取り組む課題を明確に設定できているかどうかで、AI時代の生き残りが決まりそうだ。

製造業でのAI人材の育成

「製造業でのAI人材の育成」をテーマにしたパネルディスカッションで繰り返し強調されたのが、「やってみないとわからない」という言葉だ。

実際に取り組むことで、社内のAIリテラシーが上がり「どの課題がAIで解決できるのか」見極められるようになる。

ノウハウがクローズドになりがちな製造業企業は、ベンチャー企業や大学との連携など、ある程度社外の組織に頼るのも、ノウハウの取り込みやAIを開発できる体制構築には重要、といったことが語られた。

ディープラーニングを産業実装するために:メディア認識を現場で活用するための論点

Laboro.AI CTOの藤原弘将氏によるセッション「ディープラーニングを産業実装するために:メディア認識を現場で活用するための論点」では、ディープラーニングのプロジェクトを進める上で注意すべきポイントが語られた。

Laboro.AI流のAI導入のアプローチの根幹は、「AIはひとつの万能システムではなく単機能システムの集合体と捉えるべき」という考え方だ。

ディープラーニングで100%の精度は難しく、どの程度の精度を出せればビジネス的にペイするのかの「見極め」や、導入して終わりではなく、モデルの継続的なアップデートをどのように運用フェーズでも組み込むかなど、ビジネス、技術の観点を交えて語られた。

新型「aibo」デモ

会場では新型aiboと触れ合えるブースも目立った。

手足の動きや表情など、見た目の犬らしさが増したaibo。クラウドと連携することで日々の飼い主とのコミュニケーションを学習し、賢くなるという。

鼻に搭載されたカメラで人間を認識して顔を向けたり、名前を呼ばれると反応して駆け寄ったりなど、かわいらしい仕草を見に行ってみてはいかがだろうか。