2018年11月21日、Amazon Web ServiceがAmazon Rekognitionの顔検出、分析、認識機能のアップデートを発表しました。
今回のアップデートにより、画像内の顔検出率は40%向上し、誤認識は50%減少したとのこと。
アップデート内容を、参考画像と合わせて解説していきます。
あらゆる条件下で“顔”を認識する
アップデート前は、人が見れば確実に顔だと認識できる状況でも、正しく、認識できていませんでしたが、さまざまなポーズにおける顔認識も可能になり、大きく精度が向上しています。
下の写真では
- 男女の顔の向きが逆さま
- 顔と顔の距離が近い
- 正面からではなく横顔
と、アップデート前では顔を認識を妨げるハードルがいくつもありますが、現在は認識可能。
さらに、以下のような条件下の顔認識も可能になりました。
- 下から撮影されている
- 5人の顔が上下左右から円陣を組むように写っている
- 被写体との距離が遠い
- 上を向いていて、顔半分が見えていない
正面だけの顔認識の精度がいくら良くても、実用に足らないのが現状。より多くの状況で顔認識が可能であるほうが、AIのビジネス利活用のためには重要です。
照明が写る写真からも顔認識を実現
照明は、顔認識の精度に大きな影響を与える要因の1つ。
- 顔と背景のコントラストが低い
- 照明が明るすぎて顔の特徴が塗りつぶされている
などのハードルを生むことがあり、認識精度は大きく下がるのが一般的です。
ですが、Amazon Rekognitionは、下の写真のような照明の中でもきちんと顔を検出します。
障害物やぼかしの入った写真にも対応
顔の前に障害物を置いたり、ピントをずらしてぼかしが入った写真も、Amazon Rekognitionなら顔認識が可能です。
障害物や手により、半分以上が顔が隠れているにも関わらず、正確に目や口などを認識し、顔だと判定している精度の高さ。
たとえば、街中の写真を解析するときにAmazon Rekognitionを使えば、より正確に性別や人数などの認識が可能になりそうです。
画像認識AIの競争激化。SNSやwebサービスのUXは向上する
今回のアップデートでは、顔検出、分析、認識機能がそれぞれ強化されました。
顔検出、分析、認識機能が強化されることで、SNSにおける自動タグ付けの精度向上や、プロフィール画像の分析・評価の精度向上につながり、SNSやwebサービスのUXに影響していくのは間違いなさそうです。
Amazon Echoが目立っているため、音声認識や自然言語処理に注力しているイメージが強いAmazonですが、今回のアップデートを通して、顔認識分野にも力を入れていることがわかりました。
MicrosoftやGoogleなども新しいAIサービスやAI開発の情報を発表し続けているため、世界を牽引するテック企業のAI開発競争は、ますます激化していきそうです。