青森県では高齢者の方々がAI日本語アノテーション業務を始める

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高齢化している社会を「活かす」取り組みが始まろうとしている。

東京都に本社を置く株式会社ライトカフェは2月26日、青森県にあるサテライトオフィス 青森事務所で3月2日から「シルバー人材」によるAIアノテーション業務を開始することを発表した。

>> 株式会社ライトカフェ

AIの精度に直接かかわるアノテーション業務を担う

青森事務所で開始する業務は、AI(人工知能)の精度に直接かかわるアノテーション部分だ。

AIの学習方法のひとつに「機械学習」がある。目的にそった規則性や特徴を正しく学習させるためには、「教師データ」とよばれる正解データが重要だ。この教師データを作ることをアノテーションと呼ぶ。

当然、教師データ自体の精度が悪ければ、AIは誤った情報をもとに学習するため、AIそのものの精度を左右する大事な作業である。

ライトカフェ社では、アノテーション業務の一部をオフショアで実施していたそうだ。視覚で判断できる画像アノテーションは実施しやすい反面、日本語を用いるテキストアノテーションは、言語の違いなどから難易度が高いとされていた。

画像は公式サイトから

そこで、シルバー人材に業務を担ってもらうことで、オフショアでは苦手だった日本語アノテーションをカバーしていく狙いだ。

3月から就労するシルバー人材は、昨年、八戸市シルバー人材センターから紹介された6名。アノテーションに必要となる各種ソフトウェアの講習後、実際のAIアノテーション業務に取り組むそうだ。

ライトカフェ社は、
「シルバー人材の就労機会の創出により高齢者が活躍できる場を広げ、AI開発を推進する拠点として青森事務所を発展させることで、雇用・育成の観点から地域活性化を目指していきたいと考えています」
とコメントしている。

青森県で進んでいるAI活用、県庁では議事録に使う

青森県でのAI活用はいまに始まった話ではない。

今年1月には、株式会社イグアスが販売するクラウド型AI議事録作成支援ソリューション「AI Minutes for Enterprise」が青森県庁で採用が決定したと発表された。

青森県庁ではAI Minutes for Enterpriseの2020年度本格導入を目指し、2019年11月19日~2020年3月31日までの期間、青森県総務部行政経営管理課を中心に全庁内で活用し、使い勝手や効果を検証している。

会議の議事録作成は非常に手間がかかることから、人員コストなどの面で課題があった。そこで、AI議事録を導入したことで議事録作成にかかわる業務時間を大幅に短縮。空いた時間で県民へのサービスや福祉などの向上に役立てることを狙っている。


ライトカフェ社と青森県での取り組みは、高齢者の働き口を提供するだけでなく、これからさらに注目を集めることになりそうだ。

それこそ、今後増えてきそうなAI活用。その反面、足りないAI人材。この部分を解消できるのがシルバー人材なのかもしれない。また、オフショアではなかなか難しい「日本語」という部分も問題ないので、携わる人が“win”になるような取り組みだ。

高齢者自身がAIに触れることで、AI自体の普及にも大きくつながるはず。

ちなみに、今回ライトカフェ社にシルバー人材を紹介した八戸市シルバー人材センターの入会条件は、
・八戸市在住
・年齢60歳以上
・健康で、重大な持病、既往症がないこと
とのことだ。

>> 八戸市シルバー人材センター