河川の監視カメラ画像から水位を予測 誤差±3.6cmでの推測に成功

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株式会社アラヤは、4Kカメラを用いた河川の監視カメラ画像から河川の水位を推定するAIモデルを構築し、誤差±3.6cmでの推測を実現した、と発表した。地方自治体の防災業務の効率化に貢献する。

±3.6cmの誤差で水位を予測

今回は栃木市内の3つの地点で実証実験を実施し、2地点でそれぞれ、±3.6cm、±3.74cmの誤差で水位の推定に成功した。残りの1地点は夜間で光量が足りず±15.32cmの誤差となったものの、課題解決手法に関する示唆を得られたという。

画像はプレスリリースより

河川の画像から水面をピクセル単位で認識、他の河川でも応用可能

本実証実験では、意味的領域分割モデル(セマンティックセグメンテーション)を利用。ピクセル単位で何が写っているかを分類する深層ニューラルネットワークの技術だ。河川を写した画像内から「水面」「護岸」「それ以外」の3要素に分類、このうち「水面」が写る領域を認識して水位を推定するという。

一般的に、高精度なAIを構築するためには、さまざまな水位の画像が必要になる。しかし、本実証実験ではデータ取得期間が短く天候変動が乏しかったので、水位のバリエーションが少なかった。そのため、実写画像をベースにしてさまざまな水位の状態を再現したCG画像を制作してデータを増強し、高精度なAIモデル構築を実現した。

本実証実験は、2020年9月18日に総務省の「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証に係る防災分野におけるローカル5G等の技術的条件等に関する調査検討の請負(防災業務の高度化及び迅速な住民避難行動の実現)」事業に選定され、株式会社地域ワイヤレスジャパンとケーブルテレビ株式会社が主体となって実施したもの。アラヤは技術協力として、2021年1月から栃木市で実施した総務省の防災分野における実証実験に参加した。

>>総務省|報道資料|「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に係る令和2年度成果及び令和3年度実施方針の公表

>>株式会社アラヤ | AI技術で未来の社会を創造する

>>プレスリリース

浸水地域を氾濫から10分程度で推定

近年はゲリラ豪雨による河川越水や道路冠水など甚大な被害が多発しており、被害予測の需要はいっそう高まっている。

株式会社Spectee(スペクティ)は、SNSの投稿画像や監視カメラの画像をもとに豪雨や河川の氾濫で浸水する地域のシミュレーション地図を作成。氾濫直後から、AIのリアルタイム解析で浸水範囲と浸水深を瞬時に割り出し、降水量、地形データ等と組み合わせて統合的に解析する技術の開発を進めている。あわせて被害が進行した場合の予測値や予想最大被害範囲など、浸水による被害を多角的に可視化することを目指しているという。