飲料の微生物検査をAIで自動化 コスト最大85%削減、作業時間を年間180時間短縮

このエントリーをはてなブックマークに追加

アサヒ飲料株式会社は2021年12月23日、品質保証のために出荷前に実施する微生物検査において、AIを活用した新たな微生物迅速検査法「FLOX-AI」を開発したと発表した。微生物検査の工程でAIを活用する取り組みは、清涼飲料業界で初という。

微生物検査法には、清涼飲料業界で一般的な検査法として用いられる通常培養法と、検査装置を使った迅速検査法の2つの方法がある。

ただし、通常培養法は微生物の有無を判定するのに3日~5日程度が必要で、最終判定は人の目視で実施することから、時間と労力を費やすという課題があった。一方で、迅速検査法は微生物の有無の判定を1日程度ででき、最終判定を自動で出せるが、導入・運用コストが高額であるという課題があった。

今回開発した微生物迅速検査法「FLOX-AI」は、蛍光染色法とAI(ディープラーニング画像処理技術)を融合させたアサヒ飲料独自の技術だ。

蛍光染色法とは、生きている微生物だけに反応する特殊な蛍光試薬で染色し、蛍光検出型装置によって微生物の有無を確認する方法である。通常培養法よりも素早く検出できるが、乳や果汁を多く含む清涼飲料水を検査した場合、蛍光染色法では微生物とそれ以外の物質の明確な区別が困難だった。

そこで、アサヒ飲料はAIに微生物とそれ以外の物質の形状や色調などの特徴や量の違いを学習させることで、素早く高感度に微生物有無を検出するアルゴリズム(学習済みモデル)を構築した。

「FLOX-AI」は迅速検査法と同様に、微生物の有無を1日で判定し、最終判定を自動化できることに加えて、導入・運用コストは迅速検査法と比較して70%~85%削減される。微生物検査にかかる作業時間も年間で180時間短縮できる。

アサヒ飲料は、2022年以降に同社工場での運用を開始し、2024年以降に業界全体への水平展開を検討していく。

>>ニュースリリース