優れたデザインを生成するAI、飲料パッケージ用にアサヒらが開発

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商品を選んでもらう要素として、その商品のパッケージデザインは非常に重要だ。しかし、ソーシャルネットワークの普及などによって、インターネットにはさまざまなデザイン情報があふれている。これにともない、客ごとにデザインに対する好みが多様化している。

そこで、株式会社Cogent Labs(コージェントラボ)とアサヒグループホールディングス株式会社は3月9日、最新のトレンドを反映しつつ独創的な飲料パッケージを自動生成する「AIクリエーターシステム」を共同で開発したと発表。このシステムは2020年4月をめどに試験運用する。ちなみに、アサヒグループは「スーパードライ」「三ツ矢サイダー」「ウィルキンソン タンサン」などを取り扱っている。

経験や勘に頼らずに素早く優れたデザインを自動生成

AIクリエーターシステムは、インプットされた画像素材やコンセプトから多数のデザイン案を作り出す「デザイン生成システム」と、生成されたデザイン案の良し悪しを判断して点数付けする「デザイン評価システム」のふたつから構成されている。

デザイン生成システムは、世の中のトレンドを反映した多様なデザインデータをインプットすることで、コンセプトに応じたデザインを自動生成するもの。一方のデザイン評価システムは、ディープラーニングを用いて、自動生成されたデザインを評価するシステムだ。AI自体が優れたデザインに共通する特徴を抽出し、点数付けを実施する。

ふたつの構成によって、トレンドを反映し、さらには固定概念にとらわれないデザインを多数提案する。さらに、年々変化が早くなると言われるグローバルなデザイントレンドについても、その時々のデザインデータをAIに学習させることですぐさま対応できるそうだ。

デザイン生成システムに約3000枚のトレンドを反映した画像をインプットし、デザインに精通しているクリエーター約300名によって「デザイン判断システム」の初期学習をした結果、独創的なデザインを生成できたという。

属人的だったデザインの領域において、経験や勘に頼らずに素早く優れたデザインを自動生成できるため、今後は、さまざまな業界での活用を視野に入れつつ商品だけでなく売り場全体の活性化につながるように取り組んでいくそうだ。

>> プレスリリース(株式会社Cogent Labs)
>> プレスリリース(アサヒグループホールディングス株式会社)

制作スピードは1枚あたり0.1秒、顔イラストを生成するAI

コージェントラボとアサヒグループホールディングスが開発したAIクリエーターシステムは、パッケージデザインを生成するというもの。AIは活用方法次第でさまざまなモノを生成してくれる。

Ledge.aiで掲載した記事のなかでも注目度が高かったのは「顔イラスト」を生成してくれるサービスだ。

2019年12月に株式会社ラディウス・ファイブは、AIの特性と人(絵師)の特性を活かしたハイブリッドな全身イラスト制作サービス「彩ちゃん+」(読み:さいちゃんぷらす)の提供を開始した。

彩ちゃん+は、AIだけで実現するには難易度が高い全身のイラストを人(絵師)との共同作業にすることによって“速やか”に実現する。一般的なイラスト制作に比べ、1/3の時間、1/3の料金で制作することが可能にもかかわらず、高品質な全身イラストを制作できるのだ。

利用の流れは、まず彩ちゃんで顔のイラストを生成し描いてもらう。制作スピードは1枚あたり0.1秒。100万種類以上のイラストを描くことができ、自分好みのキャラクターを作れる。その後、自分が選択したイラストの全身を作るために、選択形式で「どういった服装がいいのか」「どのようなポーズにしたいのか」などを入力する。要望を入力すると、全身のイラスト制作を絵師が取り掛かる。完成したイラストの納品は1~2週間ほどだ。

ディープラーニングは、パッケージやイラストだけでなく、さまざまな分野での活用が広まっている。今後も「ディープラーニングを活用して作った〇〇」は増えてくるだろう。ディープラーニングそのものについては、東京大学大学院情報理工学系研究科の山崎俊彦准教授に話を伺い、網羅的にまとめた記事を公開しているので、合わせて読んでほしい。