こんにちは。大嶋です。
テクノロジーからは連想しにくいワードですが、「マインドフルネス」が昨今世界的ブームだそうです。
「テクノロジー」と「マインドフルネス」、真逆なイメージを持つ両者ですが、最近AIが瞑想をサポートするアプリがリリースされました。感情という漠然とした情報の溢れるフィールドで、AIが活かされる事例はとても面白そうです。
今回はそんな瞑想をサポートしてくれるアプリAURAについてご紹介します。
このアプリの注目ポイントは、ユーザーにとって最適と思われるプログラムを提供してくれる機能が搭載されていること。
AI技術を利用した機能を持っているアプリは瞑想のジャンルではAURAだけ、必見のアプリです。
AIが自分だけの集中空間を作る。瞑想アプリAURA
AURAは2016年10月にリリースされた瞑想をサポートするためのアプリです。無料で使える機能としては以下の6つがあります。
- 毎日自分に合った瞑想のプログラムを提供
- 1週間の自分の感情のコンディションを記録し、グラフ表示
- 理想的な呼吸のリズムを表示
- 良い精神状態を保つための一日のタスクを提案
- 瞑想時のBGMを、自然音など癒される音楽10種類から選択可能
- appleのヘルスケアアプリと連動
主に「毎日セッションを提供する」機能にAI技術が使用されていて、日々利用しているセッションの情報やその都度入力する評価などから、その人に合うセッションを選んでくれるそうです。
次の章で具体的に、ご説明します。
繰り返す使うことでAIが好みを学習。自分専用のプログラムが受けられる
受けられるセッションは以下の2種類。
- 毎日1回ユーザーに合わせて提供してくれる、トレーナーのガイド付きセッション
- 10種類のBGMの中から好きなものを選んでおこなうセッション
前者は1日に1度受けられるプログラムで、ユーザーが日々好んで選択しているメニューや、各プログラムに対する評価、そしてその他すべてのユーザーのデータも加味して、AURAが最適なものを提案してくれます。
後者はユーザーがいつでも好きな時に利用でき、「滝」や「さざ波」などの自然音や、「ピアノ」などによる楽器の演奏などから自由にBGMを選択できるというものです。
いずれもその前後に、そのときの感情を入力する必要があり、これが次の日の最適なプログラムの提供に活かされるというわけです。
さて、個人個人に合ったプログラムを提供するためには、各ユーザー自身のデータがある程度必要なはずです。
このデータ収集を迅速にしているのが、瞑想を毎日続けさせるためのたくさんの仕組み。
例えば、ガイド付きのセッションは毎日おこなうことを推奨され、1日の必ずやるタスクとして設定されています。
しかし、所要時間が3分と、初心者でも「やってもいいかな」と思えるラインになっているのがにくいところ。どんな人でも無理なく続けられるようになっています。
先に紹介した、1週間分の感情の推移を見れるグラフや、一日の小さな目標を提示してくれるという機能も、ユーザーの利用継続を促すのに一役買っているんじゃないでしょうか。
つまり、利用者がより快適に毎日瞑想を行うことが出来る機能が満載であり、そのたびにユーザーの情報を提供してもらえる、そしてそれがさらにユーザーがより快適に瞑想をおこなうことに繋がる……という流れになっているわけですね。
使ってみてわかる「継続して使える」工夫
では、AURA側が提案してくれた瞑想プログラムを実際にやってみた様子をご紹介します。
上記の画面で自分の今の状態を選び、時間を選択して、開始ボタンを押すだけです。今回は無料で選択できる3分間に設定しました。
音声ガイドは綺麗な聞き心地の良い声でしたし、少し音楽も鳴っていて、かなり気持ちが良かったです。
3分間という時間ですが、「ちょっと物足りないかも」と感じる長さでした。
それでいて、ちゃんと気分はシュッとするので瞑想の役割はきちんと果たしています。
これ、続けてセッションを受けたくなる絶妙な時間設定です……。
そして、セッションが終わった後は、上記のような画面でプログラムを評価します。これで終了です。
使用を継続すれば、自分に合ったプログラムを提案してくれるようになるはずのですが、正直その効果のほどは実感出来ておりません。ただ最初のときよりはやりやすくなってきたような……?
しかし、瞑想というワードでは想像もつかないほど気軽に使用できるので、効果を実感するまでも心地よく使えそうです。
パーソナライズ技術のキモは「いかに継続的に使ってもらえるか」
今回は瞑想アプリAURAについてご紹介しました。
瞑想という敷居の高いジャンルで、毎日気軽に使えるというのは、データ量を必要とするAI技術にとって、かなり重要なことです。
この手軽さと、使えば使うほど(データを提供すればするほど)、自分に合ったプログラムになっていくということが、多くのユーザーを獲得し長期間にわたって使用してもらうのに役立っているということでしょう。
他の分野に関しても、このAURAのように頻繁に情報提供をしたくなるような(せざるを得ないような)、仕組みがあると良いのかもしれません。
AURAの場合は、アプリユーザー自身がこの仕組みの恩恵を受けていますが、例えばマーケティングツールなどを使用する際のように、情報提供者と利用者が異なる場合の方が、この工夫は重要になってくるはずです。
ある程度限定された行動パターンを示すデータは大変貴重であり、必要な情報提供をピンポイントで誘導するAURAの工夫は、広範囲の分野で役立つのではないでしょうか。