アンドロイド研究の石黒浩教授、大阪大学発のスタートアップ設立「人々を解放する新たな世界を創る」

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アンドロイド研究で有名な大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩氏は9月7日、大学発ベンチャー「AVITA株式会社」を設立すると発表した。代表取締役 CEOは石黒浩氏、取締役 COOは西口昇吾氏が務める。

石黒浩氏は20年以上に渡り、人と関わるロボットやアバターの研究開発に携わってきた。今回、AVITAを設立した目的は、石黒浩氏のこれまでの研究成果と、この先プロジェクトマネージャーを務めるムーンショット型研究開発制度、テーマ事業プロデューサーを務める大阪・関西万博などのさまざまなプロジェクト、企業との連携で新たに生み出す研究成果を社会に実装するためという。

西口昇吾氏は、大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程を修了後、日本テレビ放送網株式会社に新卒入社した。日本テレビでアンドロイドアナウンサープロジェクトを立ち上げ、VTuber事業「V-Clan」を創業して共同代表を務めた。

2021年5月31日付けで日本テレビを退社し、6月1日からAVITAの取締役 COOに就任した。西口昇吾氏は自身のTwitterアカウントにおいて、「バーチャルだけでなく、リアルでもアバターで人々の可能性を拡張し、制約なく活動できる社会を作ります」とコメントしている。

同社は設立に際して、「人は、複数の自分(働く自分、家庭の自分、友達との自分など)で活動していますが、アバターを用いれば、その自分を実世界でさらに多様に拡張し、状況や目的に応じたいろいろな自分で自由に活動することができます。このことを、アバターを用いた実世界の仮想化と多重化(virtualize the real world)と呼びます。AVITAは、大学発スタートアップとして実世界の仮想化と多重化により、人々を解放する新たな世界を創ります」と意気込む。

大阪ガスより5.2億円の資金調達「ミライの実現に貢献」

今回、同社は大阪ガス株式会社、株式会社サイバーエージェント、塩野義製薬株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社フジキンより、5.2億円の資金調達を実施した。それぞれコメントは以下のとおり。

大阪ガス株式会社

当社は創業以来100年以上に渡り、エネルギー事業を中心にさまざまなサービスの提供や先進的な取り組みに挑戦してきました。今後、アバターなどの新しい技術を活用し、さまざまなお客さまに対するコミュニケーションの充実化や新サービスの開発・提供をし、暮らしとビジネスのお役に立つことで、お客さまの明るいミライの実現に貢献して参ります。

株式会社サイバーエージェント

当社は2017年4月より、石黒浩教授とともにロボットをはじめとする対話エージェントを活用した実証実験をさまざまなフィールドで実施してきました。テックカンパニーとして当社が取組む、各企業の課題解決とDX推進をする上で重要な要素である「最高の顧客体験の実現」をより強化すべく、今後CGアバターやロボットアバターをインターフェイスとした「実世界の接客への拡張」に取り組んでまいります。

塩野義製薬株式会社

当社は、中期経営計画において、従来の医療用医薬品を中心に提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「HaaS(Healthcare as a Service)企業」への変革を掲げています。アバター技術を活用した医療現場向けの新たなサービスを開発・提供することで、患者さまや社会の抱える困り事の解決に取り組んでまいります。

凸版印刷株式会社

アバターを活用したさまざまなサービス提供やデジタルツイン事業構想を推進してきました。AVITA社のアバターや対話関連技術、知財などのアセットと我々のアセットを掛け合わせながら、既存事業をより強固なものにしていくとともに、新事業開発及び新サービスの市場投入を図っていきたいと考えております。

株式会社フジキン

当社は特殊流体制御機器メーカーとして各種バルブの開発・製造・販売をしていますが、人と関わるロボットやアバターにも利用できるアクチュエータの開発も手がけていきたいと考えております。また、病院などでディスプレイを活用したサービスも提供してきました。アバター技術を活用することで、人に寄り添うサービスを提供していきます。

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