データ&テクノロジー本部 データストラテジー部 課長の金子 剛樹氏
アクサ損害保険株式会社(アクサダイレクト)は2020年9月から、Webサイトでの自動車保険の見積り結果画面上で特定の補償内容を人工知能(AI)が提案する「補償おすすめ機能」を開発・導入し、Webサイトでの自動車保険の見積りの成約率を1カ月で5%向上させた。ユーザーの購入金額も上昇したという。
本機能では、100万件以上の契約内容を含む匿名化したビッグデータとユーザーが入力した情報をもとに、AIがリアルタイムで個別を分析し、おすすめの補償を提案してくれる。たとえば、「東京在住の30代でベンツに乗っており、年間で100キロメートル走る」といった入力をすると、似たような条件のユーザーの購入率がわかる。
アクサ損害保険株式会社 データ&テクノロジー本部 データストラテジー部 課長の金子 剛樹によると、本機能を開発した背景としては「保険は一生のなかで何度か契約するものの、多くの顧客は自分に最適な保険やその組み合わせを十分に把握していないのではないか」「カスタマー目線でおすすめしてくれるレコメンデーションエンジンを作ってみたい」といった想いがあったという。
同氏は今後の展開について「弊社のコールセンターの担当者が電話したり、グループ会社のアクサ生命のエージェントがお客さまにフェイス・トゥ・ フェイスで話したりする場合でも、本機能をうまく使ってお客さまにとって意味のある情報を提供し、納得して保険を買ってもらいたい」と意気込んでいる。
アクサダイレクトは2017年から、経営戦略としてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。2019年12月には基幹システムを刷新し、ウェブサイトをリニューアルした。今回導入した「補償おすすめ機能」も同社によるDX推進の取り組みの一環として位置づけられる。
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