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データスタジアム株式会社は3月15日、「失点抑止に最適な配球」を予測するAIの設計に成功したことを発表。このAIは、日本テレビ系地上波で放送のプロ野球中継内で実施するリアルタイム予測企画「AIキャッチャー」に活用される。
>> データスタジアム株式会社
1球ごとに失点抑止に最適な球種・コースを約1.5秒で予測
AIキャッチャーは、得点や塁状況、投手と打者の過去対戦成績など、リアルタイムに試合状況を参照し、マウンドの投手の持ち球から1球ごとに失点抑止に最適な球種・コースを予測する。
このAIキャッチャーには、データスタジアムが保有する過去16年、402万投球ぶんの試合データを機械学習させている。
日本テレビの中継では、予測結果のなかから、ストライクやアウトなど、投手にとってポジティブな結果をうむ確率が最も高いものを中継画面に表示する。予測にかかる時間は約1.5秒だ。
あくまでもAIが分析した内容だけなので必ずしも効果的とは限らないと思うが、テレビ中継を見る視聴者にとって新たな観戦体験を得られることは間違いない。
それこそ、打者は4番で満塁。その状況においてAIキャッチャーが「ど真ん中ストレート」と表示したときは、かなりシビれる中継映像になりそうだ。
AIキャッチャーは、日本テレビ系地上波で中継される巨人主催試合20試合(うち1試合はオープン戦)で実施予定だ。なお、初回は3月15日(日)に開催された巨人対楽天で実施されている。
画像はデータスタジアム株式会社から
>> プレスリリース
2020年はスポーツ観戦でさまざまなAIが使われそうだ
AIキャッチャーのように、スポーツ分野でのAI活用は今後も増えていくだろう。
スポーツ分野でのAI活用について、AppierのチーフAIサイエンティストであるミン・スン氏は、2019年12月に「2020年開催の国際的スポーツイベントとAIに関するセミナー」を実施した。
そこで語られたのは、AIによってスポーツの試合、観戦、競技場等の環境などが変化するということだ。
たとえば戦略の立案だ。ミン・スン氏は「自分たちの戦略に対して、相手チームがどういう動きを展開するのか、予測と分析をするAIに注目が集まる」と言う。
画像出典:Pixabay
戦略を立案するAIは、選手や監督、コーチ向けの技術で、球技や格闘技などの試合(対戦)を要する種目での活用が期待されている。
戦略立案には行動モデリングが利用され、自分たちと対戦相手の動きを学習させ、シミュレーション環境を構築する。
これまでは机上で作戦を考えていたこともあったが、AIシミュレートすることで一層具体的に指示を出すことも可能になる。選手本人はもちろん、監督やコーチなどに有益となる技術だ。