AIで葬儀のナレーション原稿を作成 作成時間をわずか20分に

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株式会社ビアンフェ.は3月1日、葬儀向けに約7個の簡単な質問に答えるだけで、人工知能(AI)が適切なナレーション原稿を自動で生成するとうたうクラウドAIシステム「IKIRU(いきる)」を発売する。

葬儀のナレーション原稿は、葬儀社が司会者に依頼することが通例で、作成には経験に基づいた専門的視点と高度な技術が求められるという。遺族へのインタビュー時間を含め、半日以上の時間がかかるとする。

今回、同社が発表した「IKIRU」を活用し、質問に回答するだけで、故人の思い出や遺族の想いを言語化した最適なナレーション原稿が作成できるという。人材不足や育成を課題とする司会業者や、外注費といった経費を削減したい葬儀業者への販売を予定しているとのこと。

システムの開発においては、ビアンフェ.代表の岡野氏が蓄積した過去25年間におよぶ約1万件の実例ナレーション原稿を整理し、性別や年代、死因、家族状況、人柄、趣味などを分類した。このようなデータを用い、人の感情を数値化する方程式を作りだし、故人をしのぶ式にふさわしいとうたうナレーション原稿の生成を実現する。

導入のメリットとしては、原稿作成を外注していた葬儀業者は自社作成が可能になり、外注費の削減につながることが挙げられる。また、質の高いナレーションを標準化して提供し、参列者などに満足してもらえるという。さらに、原稿データはシステムを購入した会社の所有物としてクラウド上のシステムに蓄積されるため、独自のナレーションノウハウが蓄積され、生かせるとうたう。

ヒアリング時間20分、原稿作成・編集時間20分に

利用者である株式会社クリスタルは「これまでは、ナレーションが完成するまでかなりの時間を費やしていましたが、『IKIRU』で作成をしたところ、お客様へのヒアリング時間20分、原稿作成・編集時間20分と、短時間で最良のナレーション原稿が作成できるようになりました。お客様に寄り添う時間を増やすといった効果が生まれたことが、葬儀社として大変うれしく感じている点です。ナレーションを読んだ際のお客様の反応も良く、とても感動してくださっていました」と述べている。

また、岡山大学 大学院 自然科学研究科 竹内孔一准教授は「葬儀のナレーションには、式典にふさわしい表現と進行にあわせた展開が求められ、さらに故人や遺族に配慮した表現が必要となるため、実用に耐えうる文を生成するAIシステムの開発は難しいと考えられていました」とコメント。

続けて、「しかし、ビアンフェ.の岡野代表の豊富な経験をデータ化した結果、葬儀におけるさまざまなナレーション文書には共通する主要な構成要素があることがわかり、ユーザが直感的に理解しやすい形でナレーションを作成することができるAIシステムが実現できました。実用を主眼に置いた、文書を生成するAIシステムの開発は非常に画期的であり、前例が思い当たりません。実例によって、文書作成AIシステムの精度が上がり、多様な場面で活用の幅が広がっていくことにも期待しております」と語る。

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