AIメディアの中の人が選ぶ、AI初心者が読んだら幸せになれそうな9冊

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人工知能ブームにかこつけて(?)生み落とされたのか、世に大量に溢れるAI関連本。

ディープラーニングや機械学習などの技術をしっかり学ぶ開発者向けのものから、AI時代の子供の教育やAIが仕事を奪うといった脅威論まで、枚挙に暇がない。

玉石混交の情報の海に溺れず、わたしたちは自分の知りたい情報にたどり着けるのだろうか……。そんな迷えるAI初心者に朗報だ。

今回、Legde.aiを運営し、日々AI業界の動向に触れているレッジのメンバーに、「自分と同じ職種のAI初心者」にオススメしたい本を聞いた。なお、AI初心者は「AIと機械学習、ディープラーニングの違いが分からないレベルの人」と定義する。

Amazon本カテゴリ「AI」の検索結果画面。Amazonに「検索結果20,000以上」と言われたら何を選べばいいか見当がつかない。「人工知能」でも3,000件以上ヒットしている

ではさっそく見ていこう。推薦者の愛あふれるレビューにもぜひ目を通してほしい。

あの数式はこう使うのか!『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』

著者石川 聡彦
発売日2018年02月24日
出版社KADOKAWA
ISBN9784046021960
価格2,750円(本体2,500円+税)

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/321708000339/

AIプログラミングや機械学習の専門書の多くは、高校数学は理解している、という前提のもとで解説が進んでいく。ページ数の制約上、数学の解説にスペースを割けないという事情もありそうだが、結果として万人がAIそのものを知ることが難しくなっている。

そうした数学知識の「差分」を埋めるのが本書だ。中学〜高校基礎の入門レベルにはじまり、微分や線形代数、確率と統計といった、ディープラーニングや機械学習で使われる数学を学ぶ。もちろん、機械学習でいかに使われるのかの解説も欠かさない。

後半は実践編として、データからの推定、自然言語処理、画像認識に挑戦できる。

現在、AI初学者向けのビジネススクールの講師も担当していますが。AIについて具体的に理解しようと思うと数学の知識が欠かせないため、この書籍に沿って講義をしています。学生時代はなんのために数学を勉強しないといけないのかわからなかったと思うのですが、これを読めば、当時学んだことがどのように活用されているのかもイメージしやすい一冊となっています。
JDLAの推薦書籍にもなっています。
(Data Marketing div. データサイエンティスト)

人工知能の父の生涯を知る『エニグマ アラン・チューリング伝』

著者アンドルー・ホッジス(著)、土屋 俊、土屋 希和子(訳)
発売日2015年2月
出版社勁草書房
ISBN978-4-326-75053-5
価格本体2,700円+税

出典:http://www.keisoshobo.co.jp/book/b190613.html

第二次世界大戦のナチス・ドイツ政権下で生まれた暗号機「エニグマ」を解析し、イギリスを救った天才数学者、アラン・チューリングの伝記。

AI界隈では「チューリングテスト」でもよく知られているこの人物、「ノイマン型コンピュータ」に先駆けて「チューリングマシン」を考案し、コンピュータの原理を作ったとも言われている。

そんな「人工知能の父」チューリングの功績だけでなく、行動・心情といった人となりもありありと伝わってきて味わい深い。本書をもとに映画化した『イミテーション・ゲーム』とあわせてどうぞ。

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』という映画にもなっている、その原作である。2018年、多くの人工知能(AI)の基礎になっているニューラルネットワークの研究で世界をリードしてきた、グーグルのジェフリー・ヒントンが受賞した「チューリング賞」でも彼の名前は見たことがあるだろう。

他にも、イギリスの新しい50ポンド紙幣の肖像にも採用されることが2019/7/15に明らかになった。

AIについて多くを知りたいと思った時、AI分野を作った人の歴史から入っても良いかもしれない。
(Data Marketing div. アカウントプランナー)

公式本ならではの安定感『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト』

著者浅川伸一ほか(著)、 一般社団法人日本ディープラーニング協会(監修)
発売日2018年10月22日
出版社翔泳社
ISBN9784798157559
価格本体2,800円+税

出典:https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798157559

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)による、ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)の公式テキスト。人工知能(AI)とは何かから始まり、ディープラーニングを支える技術や産業での応用事例まで幅広くさらえる。

シンギュラリティやチューリングテスト、フレーム問題など、人工知能研究で議論されている問題も取り上げており、本書でアウトラインをおさえつつ、興味を引いたトピックをさらに深堀りしていくという楽しみ方もできるのでは。

薄く広くではあるけれど、包括的にディープラーニングのことが書いてあるので、非常に初歩の勉強としてはいい本だと思う。
『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』の大事なエッセンス部分だけ入っているのもすごくわかりやすい。
(Media div. メディア統括)

AIといえば”おなじみ”の名著『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』

著者松尾 豊
発売日2015年03月09日
出版社KADOKAWA
ISBN9784040800202
価格1,540円(本体1,400円+税)

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/321410000316/

すでに手にとった人も多いであろう、人工知能の過去・現在・将来を紐解く一冊。人工知能研究の歴史やディープラーニングが人工知能研究に与えたインパクトなどが優しい語り口でつづられている。

初版は2015年発行だが、人工知能(ディープラーニング)の本質を突いているため、今もなおその内容は色褪せていない。

一般社団法人 日本ディープラーニング協会の推薦図書として挙げられている本。人工知能研究者による、人工知能の過去から未来までの変遷を紹介している。そもそも人工知能とは一体何なのか、人工知能はどこまでできるのか、人工知能によって未来はどう変わっていくのかということが網羅的に知ることができる。
著者が人工知能研究の第一人者でもあるため、未来について触れている場面では抽象的でありつつ説得力があり、ワクワクする反面こんなこともできるようになるのか、と少し恐怖を覚える。一方で、苦手なこともきちんと触れているので、下手な記事を読むくらいならば本書を読んだ方が正しい知識を得られるだろう。
(Data Marketing div. データサイエンティスト)

ざっくりAIを知るならここから?『マンガでわかる!人工知能 AIは人間に何をもたらすのか』

著者松尾 豊(監修)かんようこ(イラスト)
発売日2018年05月22日
出版社SBクリエイティブ
ISBN978-4-7973-9254-8
価格1,300円(税別)

出典:https://www.sbcr.jp/product/4797392548/

近未来都市「人工知能都市」を舞台とし、AIの歴史や未来を分かりやすく解説するマンガ。今後はどのようにAIが活用されていく?というトピックもあり、SF好きな人も楽しめるかもしれない。とにかく気軽に、AIがどんなものかを知りたいという人にマッチしそう。

監修を務めているのは『人工知能は人間を超えるか』の著者、松尾豊氏だ。

マンガでわかりやすく知識を教えてくれる入門書的位置付け。とても丁寧でわかりやすく書かれているため、全く知識が無い人や、AIの意味・できることが不透明な人におすすめできる。
特に現代の第三次AIブームに至るまでの歴史や主要なイベントを解説してくれているので、AIのキホンはこの本を読めば理解できると思う。しかし、最新の技術や各技術の深掘りはされていないので、あくまでもAIについて知りたい人向け。
(Media div. インターン)

需要予測の本質に迫る『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』

著者森岡 毅、今西 聖貴
発売日2016年06月02日
出版社KADOKAWA
ISBN9784041041420
価格3,520円(本体3,200円+税)

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/321512000337/

「マーケッター必読の書」としても呼び声高い本書。USJのV字回復に寄与したマーケター・森岡毅氏と、彼の盟友で需要予測の専門家・今西聖貴氏による共著となっている。

機械学習やディープラーニングによる予測を活かすには、という視点で本書を見ると、需要予測の基本的な考え方や実例が紹介された「需要予測の理論と実際」や「消費者データの危険性」パートから多くの学びが得られるのではなかろうか。

マーケター、データサイエンティスト両方にオススメな本です。前半は思考的な部分が書かれており、後半は数学的な話が書かれているので、数学が苦手な人は少し苦労するかもしれません。
(Data Marketing div. データサイエンティスト)

24世紀の未来人に捧ぐ『なめらかな社会とその敵』

著者鈴木健
発売日2013年1月
出版社勁草書房
ISBN978-4-326-60247-6
価格本体3,200円+税

出典:http://www.keisoshobo.co.jp/book/b105891.html

AIというと、裏側を支える技術の解説だとか、私達の実際の生活がどうなるか、といった実務的な部分に目が行きがちだ。どこか抽象的で複雑な技術や概念を単純化して、自分の中に落とし込みたい、という気持ちになる。

対して、「複雑な社会を複雑なまま生きられるか?」と問いかける本書。想定読者は300年後の未来人、目次には「伝播投資貨幣」「法と軍事」といった文言が並び、いったい何の本なのか……?と思わせられるが、着地点を知ることができるのは読破した人だけだ。

「複雑な社会を複雑なまま生きることが可能なのか。」という問いに対して、AIやブロックチェーンなど最近の技術や理論に触れながら、伝播投資貨幣PICSY、分人民主主義Divicracy、構成的社会契約論といった具体的な手法を提唱していく書籍です。技術進歩による未来の生活の捉え方に大きな示唆を与えてくれます。
(Data Marketing div. マーケティング、新規事業)

何のためのデータ分析かを考える『会社を変える分析の力』

著者河本 薫
発売日2013年07月18日
出版社講談社
ISBN978-4-06-288218-7
価格本体860円(税別)

出典:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210704

データ分析とは、ビジネスの意思決定や経営課題の解決に繋がるものであるべき、という一貫した主張に支えられている一冊。分析の手法やテクニック解説というより、データ分析に関わる人の「心構え」に重きを置いている。

Kaggleなどのデータサイエンスコンペを活用し、「解く」ことを外注する企業も増える昨今。データを紐解くことやそれ以上に、分析結果を活用し実務に活かす能力が重要だという事実を認識させられるだろう。

現滋賀大学教授で、当時大阪ガスの河本さんの著書。ビジネスライクにデータ分析を始めたい人にオススメです。2013年に出版された本ですが、今でも時々読み返します。ビジネスにおけるデータ分析に重要なのは、見つける力、解く力、使わせる力というのが実体験に基づいており、共感できる。
(Data Marketing div. データサイエンティスト)

AI時代をサバイブする力って何?『人工知能時代を生き抜く子どもの育て方』

著者神野元基
発売日2017年4月20日
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
ISBN978-4-7993-2061-7
価格1500円 (税抜)

出典:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2061-7

2045年に到来するといわれているシンギュラリティ(技術的特異点)。人間を超えるとも言われる中、子どもたちはどんな能力を身につければ良いのだろうか――こうしたAI×教育がテーマの本が増えている。

本書ではYouTubeやドローン、タブレットを活用した事例も取り上げられており、STEM教育、アダプティブラーニング、といった教育関連のトピックに興味ある人はもちろん、AIや人工知能という言葉になじみがなくても、読み進めたくなるはず。

著者の神野元基氏は、AI型タブレット教材「Qubena(キュビナ)」を提供するCOMPASSのCEOを務める。

最近じゃなくてすみません&友達が書いた本ってことで推薦しちゃいました。読みどころというよりは、AIに興味ない人でも(教育とか子育て観点で)読めるというところが良い点かと思う。AIに関してゴリゴリ書いてあるというよりは、これからのテクノロジー社会に適応力がある人間を育てるためのSTEM教育(現在のSTEAM教育)メインの内容かな。
(Corporate planning div. 経営企画)

おわりに:AIの世界を覗く切り口はさまざま

Udacityをはじめ、AIを学べるオンラインコンテンツも充実しているが、体系的かつ多くの人にシェアしやすい形で知が編纂されているのが書籍の強みだと思う。この記事が、「AIについて知りたい」というあなたにとって、AIの世界を泳ぐ道標になるなら幸いだ。

私自身初めて知ったタイトルも多かった。技術進歩と社会や伝記という切り口があると気づき、学べることはまだまだ多いと実感。来年も「AIについてもっと知りたい」人にとって役立つ・学びある記事をお届けできるよう、筆者も自己研鑽に励みたい。