人工知能を使って子宮頸がんの予防・早期診断を目指す、京都大学ら

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株式会社HACARUSは4月27日、国立大学法人京都大学大学院医学研究科 婦人科学・産科学 教室(以下、京都大学)と「子宮頸がんの予防・早期診断AI支援システム」について共同研究契約の締結を発表した。

HACARUSと京都大学は、子宮頸がんの予防・早期診断AI支援システムの共同研究を進めていく。

日本国内では年間1万人以上が罹患し、約3000人が命を落とす

子宮頸がんは、婦人科悪性腫瘍のなかでは最も多いとされている。日本国内だけに限っても、毎年約1万人以上が罹患し、およそ3000人が命を落としている。

さらに、子宮頸がんに至る前の“前がん状態”である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)は、性生活の変化に伴い20代後半~30代と若い年代では爆発的に増加している。

しかし、子宮頸がん検診(一次検診)の日本国内における受診率は、欧米諸国と比較しても明らかに低い状況だとプレスリリースでは語られている。

あわせて、一次検診で異常が指摘された場合に必要となる精密検査(二次検診)が可能な施設は婦人科医師の不足に伴い減少しており、専門的な知識を有する腫瘍専門医による診断は限られた高次医療機関のみなのが現状だそうだ。

これらの背景を受け、HACARUSと京都大学は共同研究を実施するに至った。主な目的は以下だ。

・高画質で診断精度の高いコルポスコピー動画を教師データとして用いたAIモデルを構築すること
・日本国内の診断、治療基準に沿った診断支援AIシステムを開発すること
・専門医の常駐しない施設において、AIによる精度の高い病変同定や組織採取の診断補助を可能とすること

HACARUSと京都大学の共同研究における成果は、論文および関連学会や展示会を通じて啓蒙していく。また、今後は本格的な製品開発につなげ、国内外問わず販売チャネルの構築を目指す。

>> プレスリリース

がん検査におけるAI活用の増加 乳がんの早期発見にも

2020年に入り、AIを活用した“がん”への取り組みが盛んになっている。

たとえば、株式会社NTTデータとDataRobot, Inc.は3月に、株式会社ミルテルが提供する乳がん検査「乳がんミアテスト」の精度向上のために、AIサクセスプログラムなどの活用開始を発表した。

ミルテルが提供している乳がんミアテストとは、各臓器から出る疾患特異的な因子であるマイクロRNAなどを検出し、疾患の早期発見を促す血液検査だ。

これまでのミアテストの実現には、手動で作成した数式ベースの予測モデルを使って検査していた。

乳がんミアテストの開発に、機械学習の自動化を実現するエンタープライズAIプラットフォーム「DataRobot」と、AI・データ活用を支援する「AIサクセスプログラム」を適用させることで、機械学習モデルの選定やパラメーター最適の自動化、高度な統計的知見に基づいたデータ処理が可能になる。つまりは、乳がんの早期発見や診断を実現できると考えられている。