株式会社カインズは、9月1日より実証実験として埼玉県本庄市のカインズ本社内に無人販売の店舗「CAINZ Mobile Store」を設置することを発表した。店舗内にレジを置かず、自動決済システムなどを活用してストレスフリーを強く意識している。
同店ではカインズオリジナル商品を中心に約200のアイテムを24時間営業で販売する予定だ。ただし、同店舗の利用はカインズの従業員のみとなっており、カインズはこの実証実験の結果をもとに今後の展開を検討していく予定だ。
同店の特徴は以下の3点だ。
- 会計いらずで時間短縮
当ストアでは、無人店舗の利点を生かして短時間で買い物をすることができる。入店時は、店舗入り口のゲートで専用アプリのQRコードをかざす必要があるが、そのあとは商品を手に取り店舗から出るだけで買い物が終了する。店内の上部に複数のカメラが設置されており、手に取った商品や商品を棚に戻したかどうかを判断することができる。商品を持った状態で店を出るとアプリで自動的に決済される。
- レジ待ちなどのわずらわしさを解消する、ストレスフリーな無人店舗
カインズでは、「ストレスフリー」、「パーソナライズ」、「コミュニティー」、「エモーショナル」を掲げてデジタル戦略を進めている。当サービスはその中で会計や買い物かごから買い物袋に入れ替える手間などをはぶけるため、「ストレスフリー」を実現できる。 - 米企業の無人店舗ソリューションを利用
当ストアでは、米国AiFi社の提供する無人店舗のシステムを導入している。店内の人々の動きをリアルタイムで追跡し、客が手に取った商品や客の入退店を自動で記録する。AIシステムとコンピュータビジョンのアルゴリズムを基盤として、カメラの映像から購入品、客の入退店などを判断する。
AIカメラとキャッシュレス決済を活用した無人店舗システムは広がりを見せている。
7月にはNTT東日本の子会社、テルウェル東日本が店舗向けスマート化ソリューション「SMARTORE」の事業を開始。入店時に専用アプリのQRコードをかざし、買いたい商品のバーコードをスキャンしてから、アプリの購入ボタンを押して決済する。
ほかにも無人店舗には、JR東日本系の株式会社TOUCH TO GOが手がける無人決済店舗システム「TTG-SENSE」があるが、こちらは決済のときに専用の機械を操作し、ICカードをかざして決済するというもの。同社は2020年にはファミリーマートと業務提携を結んでいる。
「ストレスフリー」を強く意識する後発のカインズは、いかにサービスを進化させていくのか。
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