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キヤノンは、画像から作物の生育指標を自動で取得できる農業生育モニタリングシステムの実証実験として、国内約60か所の水田で検証を行っていると発表した。
システムの設置イメージ/出典:PRTIMES
生育指標のデータ化のイメージ/出典:PRTIMES
近年、農業における人手不足や、気候変動などの課題に対し、AIなどの先端技術を活用するスマート農業への期待が高まっている。キヤノンは、同社が長年培ってきたイメージング技術(※)を活用し、非破壊・非接触で作物の画像から生育指標を自動で取得可能な農業生育モニタリングシステム“GM-1”を開発し、水稲栽培における実証実験を行い、スマート農業での活用を推進している。
※キャノンのイメージング技術について出典:キヤノングローバル
“GM-1”は、撮影した作物の画像から、葉色・茎数・草丈などを自動で計測し、生育状況が把握できるシステムだ。
水田に同システムを設置すると、稲の撮影と画像のクラウドへのアップロードが毎日自動で行われる。取得した画像を独自のAIで診断し、日々変化する作物の生育状況をデータ化。従来は手作業で行っていた計測を自動化することで、作業効率を大幅に改善できるという。
また、画像データで統計的に生育状況を解析でき、ばらつきが少なく、安定性・再現性の高い解析が行える。データを継続して蓄積すると、過去データとの比較も可能であり、作物の適切な栽培管理に加え、新品種開発や気候変動リスクへの備えなどにも期待される。
現在は、毎日データ化される生育指標をもとに、栽培条件の違いが作物に与える影響や品種による生育状況の違いなどを検証している。今後は、水稲栽培での実用化を推進するとともに、水稲以外の作物への展開も視野に入れて開発に取り組むようだ。
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