画像は株式会社エクサウィザーズ公式サイトから
地方自治体などで積極的にAI(人工知能)を使う動きが活発になっている。
株式会社エクサウィザーズは3月10日、宮崎市ならびに株式会社未来図Laboとの三者間において、宮崎市のケアマネジメント最適化に向けた包括的な共同実証事業の開始を発表した。
歩容解析AIで歩行における転倒リスクや介助方法を可視化する
今回、エクサウィザーズ、宮崎市、未来図Laboの三者間において、「先端技術を活用した課題解決に関する研究協定」を締結している。この研究協定は、宮崎市の介護分野における
・人手の確保
・ケアマネジメント業務の効率化
・自立支援・重度化防止に資するケアマネジメント能力の向上
の3つの課題において、協定当事者が相互に連携・協力し、先端技術を利活用した解決策を研究することで、宮崎市におけるケアマネジメント最適化の推進を目指す。
発表された実証事業では、エクサウィザーズが開発した「歩容解析AI」を利活用し、未来図Laboの事業所内において効果を検証する。歩容解析AIは、5メートルの歩行動画を撮影することで理学療法士のデータを学習したAIが解析し、歩行における転倒リスクや介助方法を可視化する。
同事業所での検証を踏まえ、地域包括支援センターのケアマネージャーのアセスメント能力の支援を目的としたケアマネジメント業務の効率化につながる実証事業を検討している。そして、スタッフ間でのケア方針の議論や、利用者の家族におけるコミュニケーションの活性化を促進し、宮崎市におけるケアマネジメント最適化の一助となることを狙う。
>>プレスリリース
AIロボットによって介護業界の人手不足を解決する
介護の現場でのAI活用の目的の多くは「人手不足」の解決だ。そのなかでも、ロボットを活用して人手不足の解決を狙う企業がある。
老人ホームや高齢者向け賃貸住宅等の運営するオリックス・リビング株式会社(現・グッドタイムリビング株式会社)と、Aeolus Robotics Corporationは2019年6月、AI搭載型ロボットの導入に向けた実証試験などを行うコンサルティング契約の締結を発表した。
アイオロス・ロボットは、2018年11月よりオリックス・リビングが運営する施設で、物体の検知や移動、物品の運搬などの基本的な動作確認を重ねてきた。高齢者の姿勢から、転倒を判断して、介護スタッフへ伝達するためのAIエンジンを搭載しており、人が後ろ向きや横たわった状態でも同一人物であると認識できるという。さらに、物体検知、学習機能を備えているため、作業で必要とされるほとんどモノを認識し持ち運ぶことも可能だ。
AIがある程度の作業を担ってくれれば、介護スタッフの身体的な負担を軽減するのはもちろん、高齢者との会話や心のケアに割く時間の増加にも期待できそうだ。