農家の所得向上が目的、牛の死産率を低下させるAIに期待が高まる

このエントリーをはてなブックマークに追加

畜産農家では「和牛の死産率」が課題になっているようだ。

牛にも死産や流産といった死にまつわる事故がある。畜産農家であれば、飼育する動物すべてが健康であればあるほど収益は上がる。そのため、死産などを防ぐことが重要なのだとされている。





この畜産農家の課題を解決するために、エコモット株式会社によって、株式会社オックス、株式会社トップファーム、北見工業大学らと共同で、牛の分娩時兆候である陣痛をAIによる画像解析で検出し、アラートを出すシステムを構築したと2月26日に発表された。

和牛の死産率を低下させ、農家の所得向上を目的

発表されたシステムは、IPカメラから送られてくる映像をエッジAIカメラで処理をしている。そこから画像解析結果を夜勤担当者などにメールでアラートを発信する仕組みだ。

陣痛のアラートをもとに的確な分娩介助をすることで、畜産農家の課題となっている「和牛の死産率」の低下を狙う。

さらには、これまで把握が困難だった「個体毎の分娩難易度」をデータとして蓄積し、和牛のもつ遺伝子配列パターンと突合すれば、遺伝情報と分娩難易度の関連性についての研究を進められるという。これによって、分娩難易度を高い精度で予測可能とする新しい生産技術の確立が期待されている。

今後は、死産率を低下させたり、分娩の研究が進んだりすることで、農家の所得向上を目指す。

ちなみに、今回導入するシステムについてプレスリリースによれば、「すでに稼働している複数のネットワーク監視カメラをアドオンでAI化するレトロフィットソリューションとしての展開が可能」としている。

不足する「豚肉」、生産量と資源効率を最適化へ

畜産において身近な課題といえば「豚肉」だ。実は、豚肉消費国が世界最大とされる中国では豚肉不足に直面しているそうだ。

そこで、昨年11月にEco-Porkは「畜産自動管理システム」の実証開始を発表した。これは、養豚場で収集したIoT、豚育成データをもとに、豚肉の生産性、資源効率性を改善することが目的だ。

まずは、ICTにより養豚データを蓄積、さらにデータを活用した飼養方法最適化のAIを開発。そして、AIが出した最適値を機械設備に展開することで、給餌・給水などの最適な自動オペレーションを実現し、データによる改善のサイクルを構築する。これにより生産量・資源効率の課題を解決し、豚肉の未来を創出していくという。