増加する児童虐待、早期発見にAIが有効か 東京都練馬区

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画像はUnsplashより

株式会社FRONTEOは10月14日、東京都練馬区と共同で実施している、児童虐待(重篤化する可能性のあるケース)の早期発見および早期対応を人工知能(AI)でサポートすることを目的とした実証実験の結果を発表した。

本実証実験の実施期間は2020年5月〜2020年9月。当初は2020年4月からと発表していたため、少しばかり予定より先延ばしになったものと見られる。

児童虐待は9万8000件余り、2020年は過去最多のペースに

練馬区では、子ども家庭支援センターにおいて、子どもと子育て家庭に関する多様な相談に応じ、対応と調整を実施している。近年、子ども家庭支援センターへの相談件数は年々増加しており、2019年度に過去最大の6589件に上った。そのうち、虐待相談は714件と全体に占める割合は少ないものの、増加傾向にある。

また、全国でも2020年1月〜2020年6月の半年間で、児童虐待で児童相談所が対応した件数は9万8000件余りに上り、過去最多のペースという。NHKニュースが厚生労働省のデータをもとに報じている。

>>NHKニュースの報道

FRONTEOは児童相談においては、子どもの生命に関わる重篤なケースを早期に発見し、適切かつ迅速に必要な支援につなげることが求められるとする。

そこで、今回の実証実験では、子ども家庭支援センターの職員が重篤化する可能性のあるケースに、早期発見・早期対応にあたって迅速な意思決定をするために、FRONTEOが開発したAIエンジン「KIBIT(キビット)」が役立つか検証した。

AIが上位と判断した6割以上が重篤化したケースだった

本実証実験の実験方法は以下のとおり。

1.過去に重篤化したケースなどの記録をKIBITに学習させる。
2.学習に使用したケースとは別の「過去のケースの記録」をKIBITに解析させ、スコアを付けさせる。
3.KIBITが点数を高く付けた記録が実際に重篤化したケースだったかを確認する。

なお、対象データは、練馬区子ども家庭支援センターが管理する「児童家庭相談システム」の記録内容(個人が特定される内容は除く)。

実証実験の検証の結果、KIBITがスコアリングしたデータの上位帯には、児童相談所による一時保護など、重篤化したケースのデータが6割以上入っていることがわかった。重篤化する可能性のあるデータの発見に、KIBITが十分に貢献する精度でスコアリングができていることを示唆していると言える。

この結果から、FRONTEOと練馬区は、児童虐待(重篤化する可能性のあるケース)の早期発見および早期対応のサポートとして、KIBITが有効であると結論づけている。

今後もFRONTEOと練馬区は、児童虐待の兆候を早期に発見し、迅速に対応するためにKIBITの活用方法について検討するという。

>>ニュースリリース