SNS投稿からテキストマイニングでキーワードを抽出し、自分専用のアロマが作れるサービス「CODE Meee ONE」が2019年6月27日に発表された。
リリースイベントに登壇した株式会社コードミー 太田賢司氏は「AIで香りをパーソナライズすることで、アロマの機能をユーザーに納得してもらいやすくする狙いがある」と語った。
株式会社コードミー
代表取締役CEO
フレグランスイノベーター
SNS投稿から自分専用の香りを生成
「CODE Meee ONE」は生年月日や性別、ストレス課題(睡眠不足、対人関係など)、好きな香りの系統を入力すると、自分の専用のアロマが作れるサービスだ。
これらの基本情報に加えて、自身のツイッター投稿200件分の内容からテキストマイニングで自分の深層心理をあぶり出し、香りに反映できる。
「ツイッターだけで本当の心情がわかるのか」と疑問に思うかもしれないが、投稿のクセなどから深層心理が突き止められるという。
「テキストマイニングにはIBM Watsonを使っています。
ツイッター投稿から
- 知的好奇心
- 誠実性
- 外向性
- 協調性
- 感情起伏
といった5つの性格要素レベルと、
- 怒り
- 不安
- 成長意欲
などのキーワードを抽出しています」
SNS投稿からキーワードなどを抽出するのは、もはや一般的な言語処理技術だ。そこにコードミーが独自に開発したアルゴリズムを組み合わせ、SNS投稿やユーザーの基本情報から香りを作り出している。
パーソナライズされた香りには納得感がある
近年、オフィスワーカーの業務効率化やストレス解消など、ヘルスケアの観点からもアロマが注目されている。
しかし、お店に入ってアロマを探しても、結局いろいろな香りを試しすぎてよくわからなくなり、何も買わなかった経験がある方もいるのではないだろうか。
性格要素や自分の心理状態から計算された香りであれば、納得感を持って生活に取り入れられるという。
「確かに個人で香りの好き嫌いはありますが、『プレゼン前などで緊張をほぐすには、好きな香りよりも機能を重視した香りの方がよかった』というユーザーの声を聞きました。
AIがユーザーの状態に合わせて作ったアロマを使ってみて欲しいです。
また、AIを用いることで、普段アロマを使っていないであろうテクノロジーに興味がある男性層に、アロマに興味を持つきっかけになって欲しいとも思っています。パッケージも男性ターゲットを意識したデザインです」
スパイシーでエネルギッシュな新時代を表現した香り
発表会で披露された新元号「令和」の香りは、これまで#(ハッシュタグ)令和でツイッターに投稿されたつぶやきの内容が反映されているという。
テキストマイニングで抽出されたキーワードは
- 自分らしさ
- 成長意欲
- オープンマインド
柚子と月桃、ジンジャーがメインで調香されている。
体験会で香ってみたが、リフレッシュできてエネルギーが湧いてくるような香りだった。AIの分析にも納得だ。
以前、ターゲット市場に合わせたフレーバーを提案するAIを取り上げた。細分化する人々の好みをAIが捉え、確実にヒットする新商品を開発できるというものだ。
市場にはAIでパーソナライズされた商品が確実に増えている。業務効率化など、BtoBでAIを活用する事例が多いなか、toC市場へもAI活用は広まっている。