AIで売れるトークを解析・改善するコグニティが資金調達。累計調達額は5億円に

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1月15日、コミュニケーションのAI解析技術を持つコグニティ株式会社は、営業トークの解析・フィードバックを行うサービス「UpSighter(アップ・サイター)」の事業拡大のため、XTech Ventures株式会社が運営するXTech1号投資事業有限責任組合、ディップ株式会社を引受先とする第三者割当増資をシリーズBラウンドとして実施。本ラウンドにより資金調達累計額は5億円となった。

売れる営業トークをAIで可視化する「UpSighter」

経験値に頼った教育・研修による「指導の属人化」や、エースの時間が教育に割かれることによる「時間・体力消耗」などの課題は、営業部門を抱える企業にとっての共通課題だ。

UpSighterは、営業トークやロープレの録音データをアップロードするだけでトーク内容を自動解析し、業績上位者とのトーク内容を比較し具体的な改善点をAIが提示するサービス。

具体的には、専用アプリなどで録音・アップロードされた営業成績等の業績上位者のトークを自動解析し、模範となるトークのパターンを検出。“キャラ売り”や“雰囲気の良さ”で好成績な人と、誰もが改善できる情報構成のパターンを見分けることができるため、改善効果の高い指導方針を提示することが可能だ。また、検出されたトークパターンを使ってアルゴリズムを開発し、AIによって業績上位者とのトーク差分が明示された「自動フィードバックレポート」が一人ひとりの従業員に提供される。

解析結果の例。出典:コグニティティプレスリリース

業績上位者と比較した自分のトークスキルを定量的に把握できるほか、理由づけやデータ・事実情報の提示不足など具体的な改善点を提供できる。そのため、口頭で指導するだけよりも研修への納得感が高く、新人の営業成績の改善が早いといった評価や、成績の伸び悩むシニア従業員への指導が楽になったという声もあるという。

また、新人に向けた指導結果として、電話でのアポイントメント獲得率が64%から78%に上昇した実績もある。これまでパーソルテンプスタッフやフォーバルなど、上場企業を中心に120社以上に導入されている。

50年前の論文がベースの技術「CogStructure」

コグニティでは、独自開発した「CogStructure(コグストラクチャー)」という情報分類フレームワークを使うことで、コミュニケーションを解析している。CogStructureは、人工知能研究分野における「Knowledge Representation(知識表現)」と呼ばれる領域に属し、人の思考パターン・構成を記述可能にして、推論しやすくする技術アプローチ。

CogStructureの仕組み。出典:コグニティプレスリリース

英国認知言語学者 S. Toulminの50年前の論文をベースに、日米両言語におけるインターネット上のさまざまな文書や動画の構成を記述・変換する実験からスタートし、独自のルールへ拡張進化させた。この技術についてはLedge.aiの取材でも聞いている。

CogStructureで解析することで、固有名詞や言語差に影響されることなく、構成要素の比較が可能になり、業界やシーンが違うコミュニケーションも対象にできるという。

今回の資金調達により、業界平均値等との比較を可能とするアルゴリズムを開発し、大企業にとどまらず、中小企業や部署単位でも初期開発費用無しで使える、より裾野の広いサービスを展開。

また、主に地銀などを対象とした金融業界向けサービス「UpSighter for Finance」や、個人利用も可能なプレゼン・ピッチ解析SaaS「UpSighter for プレゼン!」をはじめとしたUpSighterシリーズの拡販、新たなUpSighterシリーズの開発を予定しているという。

Source:PR TIMES