家が住人に適応する!?『craft ai』が実現するホームオートメーションパーソナライズ

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こんにちは、ひろきです。

最近『スマートハウス』って流行ってますよね。スマホから遠隔操作、自動で省エネ、自家発電、家庭用畜電池などなど。耳にすることが増えてきたんじゃないかと思います。

そんなクールな技術の中でも、ある家電を遠隔操作できるアプリやリモコンはそこそこあると思います。ただもし全ての家電で導入しようとしたら『家電制御系だけでスマホのアプリが十数個、家中に転がる大量のリモコン』……なんてことにもなりかねません。

それってスマートだっけ?

という至極まっとうな観点に一石を投じるかもしれないプロジェクトとして世界が注目しているのが、今回ご紹介する『craft ai』そして彼らが提唱する『ホームオートメーション』という考え方です。

次世代ホームオートメーション。craft ai の描くスマートな家の姿

craft ai hassle free

craft aiはフランスのパリに拠点を置く会社で、よりスマートなサービス、ユーザーにすぐに順応するAIの提供を目指してAIaaS(AI-as-a-Service)の普及を目指しているそうです。2015年からは高度なAIを扱えるようになるためにデベロッパーへの支援をしているんだとか。

彼らが挑戦しているのはAIによる家電の自律制御であり、人間の生活リズム、習慣、各種センサーから入手可能な情報の統合制御による「何もしなくてもいい感じに住みやすくしてくれる家(≒スマートホーム)」の実現。他にも同じAIを使ったプロジェクトとしてヘルスケアなどの分野にも進出しているそうです。

そのAIと連携する商品として、

といったものがすでに開発されています。実際にこれらは家電テクノロジーの祭典CES2016の模擬スマートハウスモデルでも使用され、その様子は多くの海外メディアに取り上げられていました。注目度の高さが伺えます。

従来は家をスマートにしたければ、オートメーションのシナリオをマニュアルで設定しなければならないんですが……ぶっちゃけめんどくさいですよね。でもcraft aiは接続されたものからユーザーの情報を勝手に解析して、自動で学んでくれます。

つまり、使用者の習慣について毎日の「実際の使用」から学んでいくってことです。めっちゃ楽チン。

製品1個1個がAIに接続するのではなく、スマートホームとして全体で繋がることにより、よりユーザーの生活に順応していくという考え方です。

全体をAIで統合制御するってどういうこと?

craft ai learning

では、どんな感じにAIがコントロールしていくのか、少し詳しく説明します。

センサリングの対象

AIが学んでいくパラメーターですが、

  • デバイスの使用頻度と使用状況
  • 時間帯
  • 外の明るさ
  • 温度

などなどの要素を加味してAIが自己学習していくようです。もちろんそれぞれにセンサーや対応しているデバイスが必要ですけどね。

上記の要素だけでも、住人の習慣をある程度は学習できそうですが、これだけだと一人一人の住人に対応できなさそう……。
 
実際そういった課題はあるようで、現在は個々人の家の中での行動パターンを把握するために、Gablys、BluetoothポータルビーコンやBluetoothホットスポットといったデバイスを導入し、施行しているとのこと。

これで「誰がどこで」という情報がとれるようになるため、より一層個々人の習慣に順応できるようになります。

craft aiで実現するスマートホームでの生活はこんな感じ

craft ai image

AさんとBさんが2人暮らししているという設定で考えてみます。

朝になってAさんが起床。キッチンへ向かおうとします。Bさんが起きていれば、ベッドルームのブラインドが自動で上がりますが、このときBさんはまだ寝ているので、ベッドルームのブラインドは閉まったまま。しかしAさんがドアへ向かっているので、自動で薄暗く照明が点灯します。

部屋をでたAさんはリビングへ移動します。craft aiは位置情報からリビングへの移動を確認すると、リビングのブラインドを上げます。Aさんは晴れた日は日光を取り込む習慣があることを学習済みだからです。逆に雨の日にAさんはブラインドを上げる習慣がないので、その際は上げません。

AさんとBさんが外出する時間になると住人が全員不在になるため、照明は全て消灯、ブラインドも完全に閉じます。

こういったように、個々人の好みや習慣を学習し続け、そのうえリアルタイムで行動を感知、対応することで「真のスマートネス」を実現しようとしています。

住人の習慣について学習しているということは、習慣から外れた異常な事態も検知できるということ。実際、異常値を観測したときはSMSなどを利用して、住人に知らせてくれる仕組みもあるそうです。連携するデバイスによってはcraft aiが自動で問題解決してくれることも可能かもしれませんね。

craft aiによるスマートホームの可能性とは

craft aiにより、自動で家電類(AIに接続されたモノたち)が動き、もう自分からいちいち行動をすることはなくなる環境。もし本当にこれが実現したらどうでしょう。

スイッチやリモコンといったものが減り、日常生活がより便利になる……のはもちろんだと思うんですが、なによりも「貴重な人間の生活データの収集」ができるようになります。

そのデータを使えば、

  • 生活リズムや家での暮らしの可視化。異常値を発見してアラート
  • 就寝の深さ、時間帯、長さなどのデータをAIが分析し部屋の明るさなどを自動調整
  • 悪い生活習慣や病気の兆候をAIが発見して、改善策をサジェスト
  • 仕事ができる人/できない人の違いを生活データから紐解く

などなど。他のサービスへの展開も十分に考えられますし、研究用途でも使えそうです。

データ自体に価値があるので、もしかしたら有名アスリートの生活データが高く売れたりするかもしれませんね。

さいごに

craft ai API

住人の生活履歴から学び、日々情報を集積・更新し、適応。なにか例外な事態が起これば知らせてくれる。ユーザー参加型といえば参加型ですが、「住人が日常生活を送ること」で達成されるAIによる生活習慣の自動再現が可能になった、と言えるんじゃないでしょうか。

実は現在ベータAPIを提供しており、その他にもスマートホームコンテキストでのcraft aiのデモを体験することができるアプリも。こちらからどうぞ。

なんというか、家電メーカーとして住販もやってる世界的にも稀な企業、パナソニックあたりにこの辺食い込んで欲しいとこではありますね。(訳:パナの方連絡まってます(笑))

ではまた。