港湾クレーンでの点検作業、ドローンの撮影画像をAIが解析 発錆検知の自動化へ

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株式会社三井 E&S マシナリーと株式会社ゼンリンデータコムは9月30日、港湾クレーンの点検にドローンを活用する実証実験を実施したと発表した。

本実証実験では、これまで点検員が目視で取り組んできた港湾クレーンの構造物点検の一部を、ドローン飛行による画像撮影および画像のAI解析で実施した。また、画像の人工知能(AI)解析により、自動で発錆の有無を検知する点も検証している。なお、画像のAI解析技術は、Automagi株式会社の「AMY InfraChecker」を活用している。

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港湾クレーンの点検、ドローンの撮影画像をAIが解析しサビ検知の自動化へ

従来、港湾クレーンの点検は、作業員の高所作業や専用の点検作業者の利用といった安全面・コスト面での問題に加えて、技術者不足の深刻化や作業員ごとによる検査制度のばらつきといった課題があった。

そこで、本実証実験では点検作業の効率化や省人化による安全面・コスト面・技術者不足の克服・検査精度の向上を目的に、港湾クレーン点検の一部でドローンを活用し、点検結果をシステムで管理することを視野に入れた実証実験を実施した。ドローンを活用する理由は、近年、橋梁点検においてドローンを使う事例が増えているからだ。

本実証実験で活用した三井 E&S マシナリーの既存システムでは、港湾クレーンの各種データをクラウドに転送し、Webブラウザを用いてどこでもクレーンの状態を確認できる。クレーン稼働データと電気品や機械品に設置したセンサからのデータをAIによる解析を適用し、港湾クレーン予防を保全する機能が実装され、クラウド上で構築される仕組みだ。また、今後はドローン利用による点検結果と同システムを連携させていくという。

一方、ゼンリンデータコムは、ドローン飛行やドローン利用に関する技術的サポートおよびドローンを飛行させて撮影した画像をAIで解析する。

両社は今後も共同で開発を進めていく予定であり、港湾クレーンの点検におけるドローンの利活用の可能性を検討していくとのこと。

さらに将来的には、ドローン飛行で撮影した画像にAI解析を適用することで、発錆や塗膜剥離の有無を検知し、発錆箇所等の定量的な評価までを自動で判定させ、点検対象である港湾クレーンの3Dモデルと連携させていく。これにより、クレーン全体での傾向をつかめるシステム構築および港湾クレーンの構造物点検へのドローン標準利用を目指す予定だ。加えて、AIによるドローン画像解析技術の高度化と既存システムの連携を進め、保全サービス・顧客サービスの向上に取り組んでいくという。

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クボタ、河川ポンプのサビ検知にAI導入 腐食の進度に応じた劣化度が判定可能に

作業の負担が大きい点検業務において、AIを活用し効率化を目指す事例が増えている。

クボタ機工株式会社とAutomagiは2020年7月28日、業界初となる排水機場の河川ポンプ内のサビをAIが検知するツールを共同で開発したことを発表した。このツールは、クボタ機工がこれまで点検した動画データをもとに教師データを作成し、Automagiの保有するサビ検知AIの開発技術を応用して開発されたものだ。

サビ検知AIは深層学習による画像映像解析を活用している。Automagiの独自技術を併用し、膨大なサビデータを学習させたモデルによって、画像や動画からサビを98%の精度で検知し、腐食の進行度に応じた劣化レベルを表すことができる。

これにより、人では見落としてしまっていた箇所までAIが網羅的に検知でき、補修の必要性を判断するサポートもできる。さらに、動画のどの部分が特に劣化度が大きいかが可視化されるため、全体の点検の効率化にもつながる。加えて、AIが統一基準で検知するため、ひとによる判定のばらつきをなくすことが可能だ。

内視鏡カメラで撮影された動画データをクラウド環境のAIに転送し解析すると、元の動画上のサビがある場所に対して劣化度ごとに色付けされたデータを確認できる。サビ部分の劣化度が可視化されるため、より定量的かつ客観的な河川ポンプの診断が可能になる。