株式会社クレストは1月28日、「カメラによる顔認証技術に対する意識調査」の結果を発表した。
調査概要【株式会社クレスト調べ】
・調査期間:2019年12月20日(金)~23日(月)
・対象:全国に住む20歳~69歳の男女500名(男性:250名 女性:250名)
・調査方法:インターネットによるアンケート回答方式(調査会社:株式会社ネオマーケティング)
>>https://www.crestnet.jp/
利用経験最多は「オフィスでの勤怠・人事管理システム」
意外にもスマートフォンなどでの利用が少ない(画像はプレスリリースより)
カメラを使った顔認証技術(画像や映像から顔の特徴を分析して人物を識別する技術)のサービス利用経験は、39.4%が「カメラを使った顔認証技術について聞いたことはあるが利用したことがない」と回答している。
一方で、利用したことがあるサービスで最も多かったのは「オフィスでの勤怠・人事管理システム」で28.8%。次いで「スマートフォンやPCへのログイン(16.0%)」「出入国管理時の顔認証ゲート(15.8%)」となっている。
しかし、顔認証技術の“サービス利用”に対しては、全体の64.8%が「抵抗感あり」と回答している。その理由は、「目的は何であれ、無断で自分の顔や姿を撮影されることが不快だから(47.5%)」と回答した人が最多で、プレスリリースによれば抵抗を感じる主な理由撮影行為自体に対する不快感と利用用途の不明瞭さであると推測している。
なお、「新しいサービスの利用方法に慣れるのが面倒だから」と回答したのは全体の11.7%だった。
店舗マーケティングでの活用は67.8%が不安を感じる
最近、導入事例が増えてきた“リテールテック”と言われる小売店舗での顔認証カメラの活用。スーパーやレストラン、アパレルショップなどに小型カメラを設置し、映った人の年齢や性別を分析。分析されたデータをもとに、来店客に対してのセールイベントや、おすすめ商品の提案などをすることで、店舗での体験向上に活用されるものだ。
店舗での活用に対する認知については、そもそも存在を「知っている」と回答した人は25.2%にとどまった。
だが、店舗マーケティングでの活用は67.8%の人が「不安」と答えている。理由は、「顔や行動を撮影されること自体に抵抗がある(49.0%)」「いつどこで撮影されているのかわからない状態に抵抗がある(48.1%)」となっていて、同プレスリリースでは「撮影されること自体への漠然とした不安や撮影目的や場所を認識出来ないことに対する不安感では」としている。
「とても不安である(18.8%)」「どちらかというと不安である(49.0%)」の合計で67.8%(画像はプレスリリースより)
その反面、店舗マーケティングでの活用に対して不安ではないと回答した理由は、「映像が削除されていれば、情報の流出・悪用の心配がない」が最多で44.1%だった。次いで「店舗での体験向上にデータが活用されれば自分にもメリットがある」が43.5%、「生活が便利になってほしい」が42.2%という結果に。
そのほか、株式会社クレストによる調査結果はプレスリリースから確認できる。
急速に進みそうな店舗での顔認証活用
クレストのプレスリリースにも記載されているが、これから先、顔認証を使った店舗マーケティングを活用する企業は増えていくとされる。
昨年2月には、エクスウェア株式会社が提供する顔認証サービスが「ラーメン凪 田町店」に導入されたそうだ。なんでも、顔認証から注文(発券)までをシステム化したとのこと。
それこそ、最近ではサブスクリプションを使った飲食店も増えているため、顔パス利用できれば手ぶらでご飯を食べに行けることになる(居酒屋でほしいサービスですよね)。
クレストのリリースにも記載があるが、利用者(顧客)が能動的に使う顔認証は多くの人に受け入れられるが、店舗側の意向だけで顔認証を使われることにはまだまだ理解しづらく感じる人もいるのだろう。とはいえ、店舗側でデータを活用してもらうことで、よりよい顧客体験を得られるのであれば急速に理解も進むはず。