株式会社シーエスコミュニケーションは2022年12月22日、バーコードなしの製品を0.2秒で正確に認識するエッジコンピューティングとPOSシステムを連携した「無人レジ」を実現する「エッジIRリーダー」の提供を2023年春に開始すると発表した。低コストの導入が可能な「無人レジ化」で人手不足解消を進めるとのこと。
背景
人口減少や少子高齢化が主な原因となり、あらゆる業界で人材不足が問題となっている。特にすべてのIoTが難しいリアル小売店舗などの現場では、人材不足や人件費削減の課題が色濃く残っており、無人レジやRFIDの導入が検討されてきた。
多くの製品に使われるバーコードは、店員か購入者がバーコードリーダーに読み込ませる必要があり、無人化が難しい、バーコード探しが煩わしいなどの課題がある。代わって登場したRFIDシステム(Radio Frequency IDentification System 、媒体に電波・電磁波を用いたIDシステム)は、特殊タグ付けの手間やコストが高額で普及が進まないなど、店舗での会計は課題が多く残っている。
エッジIRリーダーで低コスト無人レジ化を実現
2023年春より提供開始を予定する「エッジIRリーダー」は、バーコードなしの製品を人の確認を介さず0.2秒で正確に認識する。利用者や端末と物理的に近い場所にAI処理装置を分散配置し、ネットワークの端点(エッジ)でデータ処理を行うエッジコンピューティング技術と、POS(Point of sale、販売時点情報管理)システムを組み合わせることで、バーコードなし・低コスト・高速・正確性のすべてに対応するという。
エッジコンピューティングで短時間で正確な画像認識
エッジコンピューティング(データ処理をネットワーク上で行い、加工したデータのみをクラウドに送信する技術)では、データの通信やクラウド上での処理に要する時間を削減することができる。従来の動画認識技術では、読み込みに5〜6秒かかっていたが、同サービスではエッジコンピューティングの技術を採用することで、約0.2秒で認識されるようになったという。
分析するデータ内容は、色、形状、大きさ、質感など製品の動画/画像データのあらゆる因子が組み合わされており、複数の因子を組み合わせて分析することで、非常に高い精度で物体を認識することが可能となっている。今までの検証では、醤油ラーメンか塩ラーメンか、牛・豚・鶏のうち何の挽き肉かまで分別できることが確認できているという。
POSレジのAPI連携で無人の自動会計を実現
このように複数因子のデータ分析を瞬時に行うように「AI実装」された設置カメラは、一般のカメラ8台分の性能を持ち、POSレジがAPI(Application Programming Interface、ソフトウェア・プログラム・Webサービスの間をつなぐインターフェース)連携できれば、無人レジのように自動で会計ができる。
商品を入れたカゴを指定の場所に設置することで、商品が自動的に認識され、POSレジで高速会計を実施。人件費削減とともに、消費者によるスキャンの手間やミスも軽減する。
小規模な店舗、飲食店やイベントでのグッズ販売店など、バーコードの添付や表示が困難な商品を取り扱う店舗でも導入が可能。社会に活用されることで、多くの店舗の課題である人手不足問題を解消する「無人レジ化」を進められるとのこと。
また、市販のカメラをAI実装してエッジコンピューティングを活用することで、初期費用、ランニング費用とも大きなコスト削減を実現したという。
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