サイバーエージェントは2019年8月30日、チャットボットや音声対話などを通してカスタマーサポートのAI活用の推進を行う連結子会社として、株式会社AI Shiftを設立したことを発表した。
2022年までに9,824億円に達するコールセンター市場
近年、企業のカスタマーエクスペリエンス向上への取り組みが注目されており、コールセンター市場規模は2022年までに9,824億円になると予測されている。
出典:矢野経済研究所
市場規模の拡大とともにコールセンターの需要が益々高まると予想される一方、コールセンター市場における深刻な人材不足や離職率の高さが課題視されている。業務効率化やオペレーターの精神的負担の軽減目的として、接客や問い合わせ対応にチャットボットなどの対話型AIシステムの導入が進んでいる。
このような背景のもと、サイバーエージェントは電話やメールなどのカスタマーサポートへのAI導入による業務効率化を推進する新会社として、AI Shiftを設立。効率化できる業務をAIにシフトすることで「“人”だからこそ出来る仕事」に時間を使うことが出来る世の中を目指す。
音声とテキストの双方からコールセンター業務をサポート
サイバーエージェントは、企業とユーザーのコミュニケーションを円滑にするための手段として、2016年7月からチャットボット「AI Messenger」を提供。自動対応・有人対応の双方によって導入企業のコスト削減とユーザーの顧客満足度の向上させてきた。
AI Shiftの設立により、音声の自動化を目的とした音声対話事業まで提供の幅を広げることで、音声とテキストの双方からコールセンター業務をサポートし、オペレーターの業務効率化やカスタマーエクスペリエンスの向上を図る。
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サイバーエージェントはこれまで、デジタル広告事業におけるAIの研究・開発を行う「AI Lab」と自然言語処理技術の研究を牽引する大学との産学連携を進め、AIエンジンの開発、オペレーターの支援・育成、人間に近い会話の実現に向けた研究開発に取り組んできた。
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今後は音声対話領域においても研究を強化し、コールセンター市場の課題解決へ活かすという。
Source:プレスリリース