株式会社サイバーエージェントは6月3日、AI(人工知能)技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の阿部拳之氏、野村将寛氏らの論文2本が「IJCAI(International Joint Conference on Artificial Intelligence)2022」に採択されたことを発表した。
IJCAIは、人工知能分野における世界最高峰の国際会議のひとつで、「NeurIPS」「ICML」「KDD」などと並んで、人工知能分野で権威ある国際会議だ。
今回AI Labから採択された2本の論文は、7月に開催される「IJCAI2022」で発表する。2本の論文のうち、「Towards Resolving Propensity Contradiction in Offline Recommender Learning」は、全投稿の上位3.5%という難易度の高いLong Talkに採択された。
AI Labはマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発し、大学・学術機関との産学連携を強化しながらさまざまな技術課題に取り組んでいる。
今回採択された論文は以下の2本。
- 「Anytime Capacity Expansion in Medical Residency Match by Monte Carlo Tree Search」
- 「Towards Resolving Propensity Contradiction in Offline Recommender Learning」
著者:阿部拳之氏(サイバーエージェント AI Lab)、小宮山純平氏(ニューヨーク大学)、岩崎敦氏(電気通信大学)
本論文では、研修医の病院配属や児童の保育所への割り当てなどの「1対多マッチング問題」を対象に、「モンテカルロ木探索」と呼ばれる探索アルゴリズムを用いて、適度に優れた解を高速に求める手法を提案している。
著者:齋藤優太氏(コーネル大学・半熟仮想株式会社)、野村将寛氏(サイバーエージェント AI Lab)
本論文では、ECサイトなどでユーザーの嗜好を予測する「推薦システム」において、現在得られているデータのみから学習の偏りを除去する手法を提案している。
上記の2本の論文で提案した手法は、人工知能分野における研究開発の基礎技術になり、実際のサービスへの活用などが期待される。
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