サイバーエージェント×大阪大学×東急不動産が仕掛ける「次世代の広告」。人型ロボットを活用した実証実験プレス発表会イベントレポート

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4月18日、サイバーエージェント、大阪大学、東急不動産による、「人型ロボットを活用した実証実験プレス発表会」がおこなわれました。

実証実験は、





  • サイバーエージェントと大阪大学がロボットやチャットボットによる共同研究を推進中
  • 接客におけるロボット活用を検討していた東急不動産が参画し、東急不動産が所有するホテルでの実証実験がスタート

という座組で行われたそう。当日は実証実験第一回目の結果も発表されました。

サイバーエージェント「AI Lab」と大阪大学が共同でおこなっている研究については、レッジが主催したカンファレンス「THE AI」でも内容を語っていただきました。

登壇者は以下の方々。

石黒 浩
ロボット学者/大阪大学

内藤 貴仁
株式会社サイバーエージェント 上級執行役員

山内 智孝
株式会社東急不動産 R&Dセンター 取締役副センター長

ロボットと人が共存する社会。石黒研究室が目指す世界観

大阪大学の石黒教授は、ロボットによる究極のローカライゼーションの時代が来ると語りました。

――石黒
「インターネットによって情報の流通が進みグローバル化した世界は、SNSによって急激にローカライズされ、今またロボットによってさらにローカライズしようとしています。情報とは、人と人、人とロボットが関わるローカルから生まれるものだからです。」

なるほど。言ってしまえば、ロボットは身体性を獲得した情報媒体。ロボットとコミュニケーションすることで、より身の回りの状況に合わせた情報発信が可能になるということですね。

――石黒
「人とロボットがコミュニケーションするには、安心感や信頼感といった感情を人にもたらすことが不可欠。それが可能かどうか検証するために、今回ホテルでの実証実験を開始した、というわけです。」

石黒教授によれば、まずは人に安心感を与えられるコミュニケーションが可能かどうかを検証した後に、徐々に広告情報を人に提供していくそう。


実証実験に使われたロボット。実証実験では東急ステイ高輪の廊下とエレベータ前に置かれ、カメラで人を検知すると、適切なタイミングで人に対して声かけ、あいさつを行なった。

実際に行われた実証実験では、「ロボットに積極的にいてほしいわけではないが、いるぶんには威圧感はなく、むしろ楽しい気分になる」ことがわかったそう。ロボットと人が共存する、第一歩といえますね。

スマホフェーズからロボットフェーズへ。サイバーエージェントが目指す「次世代の広告」

続いて、サイバーエージェントの内藤さんが、サイバーエージェントがロボット事業をおこなう理由について話しました。

――内藤
「スマートフォンの登場により、消費者が広告に接する時間が飛躍的に増加しました。サイバーエージェントは、その次に来るであろう、スマートフォン以外の日常のコミュニケーション領域で、広告ビジネスを構築することを狙っています。」

日常のコミュニケーションといえば、対話。サイバーエージェントは、ロボットの研究を通して、人と人との対話の本質を解き明かし、いかに消費者に自然な形で広告を届けるか考えているそう。

スマートスピーカーなどのボイスインターフェースが注目されているなど、広告が最後に入り込める隙間と言われている対話の領域。そこにサイバーエージェントは入り込もうとしているんですね。

気になる今後の展開は?

最後に今後の実証実験はどのようにおこなっていくのか、3社からお話がありました。

――山内
「今後は引き続き、東急ステイ高輪にて、実証実験をおこなっていきます。オリンピックに向けて、人だけでは実現が難しくなる「丁寧なおもてなし」の実現を目指します。」
――石黒
「ロボットは、今はまだ簡単なあいさつや、定型文の声かけしかできません。しかし、今後は文脈を意識した高度なやりとりや、ロボット同士に関係性を持たせ、より人間らしいコミュニケーションをおこなえるようにしていきたいと思っています。」

たとえば、ふたつのロボットに兄弟の関係性を設定し、「今日弟が言ってたんだけど〜」といった、人間らしいコミュニケーションの実現を目指すといいます。そこまでロボットの個性化がすすめば、本当に人間を超えたおもてなしが期待できそうですね。

今後の実証実験の結果も楽しみです。