その発言、本当に真実?人の嘘を見抜くAIが法廷を変える

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法廷ミステリードラマのワンシーン。そこで度々描かれるのは、事件関係者の嘘の証言です。ドラマの中では面白い展開を構成する要素の一つですが、現実の法廷で起こってしまったらただごとでは済みません。そこでは人の嘘を見抜く高精度な感覚が必要です。

今回は人の嘘を見抜く、画期的なAIを紹介します。

人の嘘を見抜く人工知能搭載システム、DAREとは?

メリーランド大学の研究チームによると、Deception Analysis and Reasoning Engine、略してDAREと呼ばれるAI搭載のシステムが開発されたのだとか。

このDAREは、法廷の映像から複数の情報を取り込み、自動で嘘やごまかしを検知します。

どういう仕組みなのか、以下で紹介していきます。

まず嘘発見の際に分析する要素として、下記の3つがあります。

  • テキスト情報
  • 音声情報
  • 視覚情報

学習用の映像の中からこれらの特徴を検知し、抽出していきます。

そしてDAREは、人の微細な表現の変化を見つけ見分け、嘘か否かを判断するように教育されています。たとえば嘘をつくときの微細な唇や眉の動き、声の傾向などから嘘を検知できるそうです。

こうして学習を重ね、テスト映像から上記の3つ要素に分類し、分析することで証言の真偽を判断できるようになります。

嘘発見の精度はどれほど?

このDAREの実力は、非常に高い水準です。

DAREはAUC(Area Under the Curve to mean)という統計指標で測られていて、その数値がこの研究の評価基準となっています。

普通の人間であればAUCは0.58くらい。

しかし、DAREが嘘を検知した場合のAUCは0.877と、人間よりも遥かに高い結果を叩き出しています。人間が正解データを付与してシステムに学習させている既存の研究よりDAREの全自動検出のほうが精度が高く、さらに人間の手を加えることで、この数値は0.922へと更に上昇するんだそう。

完璧とまではいかないものの、非常に高い水準の嘘発見の技術です。

下記に参照してあるリンクはDAREで実験した映像データで、証言の真偽を予測したものです。

>>DARE VIDEO

人間の嘘を見抜く精度には限界があるので、その精度の底上げを手助けできるDAREは活躍の幅を広げていきそうです。

嘘をAIに見抜かれてしまう時代が到来。活躍は法廷にとどまらず

非常に高い水準で嘘を見抜くDARE。嘘の可能性が高い証言の信憑性を計測するツールとして、今後利用されていくのではないでしょうか。

その活躍は法廷だけにとどまらず、ひょっとしたら警察の事件捜査の最前線や、国会答弁、ニュースのファクトチェックなんかにも広がる可能性もあるのではないかと思います。

今後ごく当たり前のように、嘘発見AIに嘘を見破られる未来が来るのかもしれませんね。