企業だけでなく、個人でも「1.5度目標※」に貢献できるようになるかもしれない。
※2015年のパリ協定で最初に提唱され、2021年の気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で採択された、「産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する」という目標
株式会社DATAFLUCTは、個人のCO2排出量が可視化できるサービス「becoz wallet(ビコーズ ウォレット)」のバージョン1.0を6月2日(木)に提供開始した。ユーザーのライフスタイルからCO2排出量を算出・可視化するほか、提携クレジットカードと利用明細を連携し、決済データからCO2排出量を計算する。
個人が環境負荷軽減のアクションを起こせるための3つの機能
becoz walletは、「wallet」「market」「score」の3つの機能を備えている。
- wallet機能:個人の総排出量・削減量・オフセット量をポートフォリオ化し、削減目標と乖離を管理できる
- market機能:同社が選定したオフセット方法の中からプラン(日本の森林保全・省エネルギー・再生可能エネルギーなど)を選び、1.5度目標の排出枠に収める、もしくはカーボンニュートラルを達成するためのオフセットを実施できる(金額は個々のユーザーのCO2排出量により異なるとのこと)
- score機能:ユーザーの入力するアンケート回答およびクレディセゾンと発行する「becoz card」との連携により、クレジットカードの決済データからCO2排出量を可視化できる
またscore機能では、購買データのみならず、住宅や移動データ等から生活者全般のCO2排出量を計算することを目指しており、現在パートナー企業を募っているという。
クレディセゾンとカードを発行、クレジットカードの決済データからCO2排出量を可視化
同社と株式会社クレディセゾンは昨年12月に業務提携を結んでおり、カーボンニュートラルをコンセプトにしたクレジットカード発行を進めてきた。今回発表された「SAISON CARD Digital for becoz」は、決済データを活用したCO2排出量の計算・可視化を通じ、カード会員様の気候変動に配慮した行動を促すという。カードは環境負荷に配慮し、デジタルカードで提供される。
このbecoz cardとサービスを連携すると、前月とのCO2排出量の比較等ができ、CO2排出や削減に関するエデュケーションに繋がるサービスが使えるようになるという。
気候変動に配慮したライフスタイルを選択したい個人を応援
リリースによると、現在、日本のカーボンニュートラルに向けた取り組みの多くは、企業や自治体などの組織が主体となって進んでおり、中でも、再生可能エネルギーの推進や電気自動車の普及などエネルギーと関連した取り組みが注目されている。一方、個人が気候変動に対してできるアクションが少なく、貢献度合いも数値として可視化されていない。
becozはこうした現状を打破し、「気候変動に配慮したライフスタイルを選択したい」と考える生活者のニーズを叶えたいという。またCO2排出削減量のみならず、取引可能な形にされたカーボンクレジット、プラスチックの消費削減量、水使用削減量なども「地球のサステナビリティを担保するための、モノやコトが有する価値」として捉え、同サービスで可視化するとしていく。
>>ニュースリリース