画像を使ったAIモデルをマウス操作で作成――DataRobotが新機能を発表

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AIプラットフォームの「DataRobot」を開発するDataRobot, Inc. は4月23日の記者向け製品説明会で、DataRobotの最新バージョンver.6.0について、以下3点の機能追加・強化を発表した。

  1. 画像データを使ったモデリングを自動化する新機能「Visual AI」
  2. データ前処理の負担を減らす「Paxata」
  3. 非エンジニアも使えるAIアプリケーション自動生成などML Opsの強化
DataRobotとは

DataRobotは、マウスで操作可能なAI構築プラットフォームだ。ユーザーが用意したさまざまなデータをもとに、自動でAIモデル作成(データの特徴量抽出、学習)・作成モデルの評価を実行する。

同製品を開発するDataRobot社は「機械学習の自動化でAIの民主化」を謳っており、データサイエンティストや機械学習エンジニアだけでなく、AIモデルを使う非専門家(ビジネスサイドの人々)が活用できるツールを目指している。

1. ドラッグアンドドロップで画像情報をモデル化できる「Visual AI」

DataRobot新機能の1つ目が、画像を使ったAIモデルが自動で作れる「Visual AI」だ。これまではデータ、数値が利用可能だったが、今回のバージョンで初めて画像に対応した。

提供:DataRobot

テキストや数値に比べて、1枚の画像に含まれる情報は非常に多く、切り出しやタグ付けなどといった細かな作業が必要だ。しかしVisual AIでは、プラットフォーム上で画像をドラッグ&ドロップするだけで特徴量をモデル化できる。

データの投入からモデル生成までの流れを、物件価格推定のケース(不動産会社の利用想定)をもとに紹介していこう。

(1)物件情報を入力したCSVファイルと画像を用意

物件の居室数、特徴、価格などを記した情報をExcelなどで用意し、これらの物件情報とあわせて、画像パスを記述する。画像は専用のフォルダに格納しておく。

(2)DataRobotにアップロードする

情報をまとめたCSVファイルと画像フォルダを共に圧縮し、DataRobot上にドラッグアンドドロップでアップロードする。

(3)何を推定するか選択し、開始ボタンを押す

読み込みが完了後、予測する値の選択肢と開始ボタンが表示される。予測する値は、入力データをもとにDataRobot側が提示してくれる。今回は物件価格の推定をするので、プルダウンから「価格」を選択する。

操作はこれで完了。プログラミングなしでAIモデルができあがる。

色やワードクラウドで、推測の根拠を見える化

提供:DataRobot

作ったAIモデルが「なぜこの分析結果を出したか」を説明する機能も備えている。AIモデルが「画像のどの部分に着目し、特徴量を算出したのか」を色で示すカラーオーバーレイ機能のほか、数値やテキストといった画像以外の情報を示すワードクラウドも紹介された。

ワードクラウドでは、推定価格を出す根拠になった文言をサイズと色で表現している。先に上げた物件価格推定の例では、文字サイズが大きいほど推定価格への影響が大きく、赤色の文字は価格を上げた要素、逆に青色の文字は価格を下げる要素として表していた。

2. DataRobot以外で作ったモデルも一元管理できる「DataRobot Paxata」

新機能に加え、今回のアップデートで強調されたのが「エンドツーエンド」部分の強化だ。これまでのDataRobotがカバーしていたモデル作成〜評価だけでなく、学習用データの準備やモデルの継続的な運用・監視といった、機械学習の前工程・後工程での手間を省く。

提供:DataRobot

たとえば「DataRobot Paxata(パクサタ)」は、機械学習を始める前のデータ準備(いわゆる前処理)をサポートする。製品説明会では、表記ゆれを発見して自動で名寄せをするほか、「西暦2500年」といった異常値を検知し、適宜削除する機能が紹介された。

提供:DataRobot

Paxataで前処理したデータをそのままDataRobotにスムーズに連携できるほか、一度Paxata上で実行した前処理作業を自動化できる。

3. モデルを運用しやすくするMLOps機能

継続的にAIモデルを運用するためには、「後工程」でのケアが欠かせない。モデルの精度が下がっていないか継続的に運用・監視をし、精度が下がった場合は作り直しなどの対応が必要だ。

提供:DataRobot

DataRobot以外で作成されたAIモデルも一元管理

提供:DataRobot

プロジェクトでは複数のAIモデルを使うこともあるだろう。Ver6.0では、DataRobot以外で作成されたRやPythonなどで開発されたAIモデルも、DataRobot上で制御できるようになった。精度が下がった場合は通知され、モデルの入れ替え作業も可能だ。

非専門家向けのAIアプリケーションを自動作成

意思決定をする人々がAIモデルを使いやすくするために、Ver6.0では3種のAIアプリケーションを準備している。

予測実行:値を入力すると、モデルを使った予測結果が返ってくる

提供:DataRobot

What-if:いろいろな入力パターンを自動で試し、予測結果を比較できる
ex.ベッドルーム数を3から4にすると、物件価格はどう変動する?

最適化:予測値を最大化または最小化する入力パターンを自動で探索する
ex. 最高に固い鉄を作るのに、クロム、炭素の最適な含有量を自動で探索する

いずれのアプリケーションも、クリックだけで作成可能だ。

今後もAutoMLを活用し、機能強化をめざす

予測結果などをビジネスに使う意思決定者、いわゆるビジネスサイドの人がAIモデルを活用できる場を提供するというDataRobot。今回発表したVer.6.0でも、非専門家がAIの判断根拠を知ったり、AIを使って予測値を出せたりする機能が追加された。

今回のVer.6.0は「第1弾のプロダクトアップデート」とのことだが、今後のアップデートについて具体的な名称は出せないものの、担当者によると「今後はAuto MLで解決できる問題の種類をさらに増やすほか、エンドツーエンドの幅とインテグレーションの深さをさらに強化する」方向性だという。

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