AI新聞記者が進化 ── 5分の作業を5秒にするコピー文自動生成AIの提供開始

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Ledge.aiを運営する株式会社レッジも企画に携わったAI新聞記者Twitterの投稿代行実験が、実業務に活用できるAIに進化した

2019年5月28日、データセクション株式会社がコピー文自動生成AIシステムの提供開始を発表した。不動産物件情報やチラシ、求人情報などに記載されるコピー文の自動生成が可能になるという。

開発の裏側を、データセクション株式会社の池上 俊介氏に聞いた。

池上 俊介
データセクション株式会社 フェロー

AI新聞記者が進化し、コピー文生成AIに

――今回プレスリリースで発表された案件では、不動産物件情報のコピー文生成にAIシステムが活用されています。なぜ物件情報に目をつけたのでしょうか?

――池上
「LIFULLさんでは、物件のスペックをシステムに登録する際、かなり細かい情報を入力すると聞きました。その情報を元に人手でコピー文を作成すると、人的コストが発生するだけでなく、担当者のスキルによってコピー文の質にバラつきが出ることがあります。

コピー文生成をAIで自動化し、これらの課題を解決したいと考えました」

株式会社LIFULLが提供する物件入力システム(複数の不動産ポータルサイトと連動し、一括して物件情報を掲載可能)には、年間約551万件の不動産物件情報とコピーが登録されている。

1物件あたり5分のコピー作成時間が発生していると仮定すると、同サービスに情報登録を行う不動産会社全体で、年間約46万時間がコピー作成業務に費やされている状況だ。

コピー文自動生成AIを活用すれば、1物件あたり5秒〜10秒でコピー文を3案生成できるため、1物件あたり10秒としても、年間約1.5万時間しかかからない。なんと約97%もコピー文作成にかかる時間が削減できる計算だ。

コストの大幅な削減だけでなく、コピー文の質も担保されるため、物件への問い合わせ件数や成約数の増加も期待できるという。

株式会社LIFULL LIFULLHOME’S事業本部 賃貸事業部 ワークデザインユニット 企画グループ 石井栄嘉氏も、コピー文生成AIに大きな期待を寄せている。

――石井
「物件登録作業の効率化につながる機能として、継続的に精度の向上を図り、他社物件入力サービスとの差別化要素としていきたいです」

自然な文章はどう作る? コピー文自動生成AIの仕組み

――AI新聞記者プロジェクトで培ったAI技術が活かされているとのことですが、コピー文自動生成AIの特長を教えてください。

――池上
「物件情報からコピー文を生成する過程で、重要情報をタグ付けする中間表現を挟んでいることです。

タグの組み合わせ情報と、タグの組み合わせに適した文章をセットでAIに学習させることで、より自然な文章の生成に成功しました」

――違和感のない自然な文章を生成するために、どのくらい学習データが必要だったのでしょうか?

――池上
「過去に人手で作成したコピー文と物件情報をセットにしたデータを、数万件学習させています。

もともとデータ自体は100万件ほどあったのですが、ノイズ選別を行い、学習させるデータを絞りました。学習データの目視確認作業は、開発を進めるうえで一番苦労したポイントです」

東京オリンピックの速報記事をAIで生成したい

――不動産業のほかに、コピー文生成AIを活用したいと目をつけている分野があれば、教えてください。

――池上
東京オリンピックの速報記事をAIで自動生成できたら面白いのではと考えています。

さまざまな種目で記録が発表されるので、オリンピックに関する過去の速報記事を学習させ、『世界で何番目の記録だった』など、情報を追加した形で記事にできたらと思っています」

コピー文自動生成AIは、学習させるデータを変えれば、多くの分野に応用ができるのだそう。たとえ小さな課題であっても、AIで少しでも多くの困りごとをなくしていきたいと池上氏は語った。

source:コピー文自動生成AIシステムの提供を開始