高専生が「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用した作品によって生み出される「事業性」を競う「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2019(以下 DCON2019)」が、グローバルサミット「AI/SUM(アイサム」内で開催された。
当日は全国の高専から選抜された8チームがピッチを行った。優勝したのは長岡工業高等専門学校 長岡高専プレラボチームだ。
バリュエーションは4億円、投資総額は4,000万円
本戦に出場したチームは以下の通り。
ピッチでは、審査員となるベンチャーキャピタルが、ピッチ内容から投資を検討するか否かを◯か✕かで判断。イベント最後の表彰式で、仮想のバリュエーションと投資額が発表され、最も高い評価額が大きいチームが優勝となる。
最優秀賞を獲得した長岡高専プレラボチームの作品は、製造業などで使用されるアナログメータの値を、ラズペリーパイなどを活用したエッジデバイスで認識し、点検人員の負担軽減や、品質改善を目指すというもの。詳しくは、別途イベントレポートでも取り上げる。
発表された順位は以下の通り。
2位 香川高専
3位 沼津高専
4位 沖縄高専
5位 香川高専 Team Sky
6位 長岡高専 視覚情報処理研究室チーム
最終審査での長岡高専プレラボチームのバリュエーションは4億円、投資総額は4,000万円だった。最終審査に挑んだ8チームの詳細と審査結果については、DCON2019公式HPにて近日公開される。
DCON2020も開催決定
日本ディープラーニング協会(以下JDLA)は、「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2020(以下 DCON2020)」の開催も決定。開催要項は2019年夏頃の公開を予定している。
合わせて、JDLA認定プログラム事業社である3社(株式会社アイデミー、ASAH 株式会社、株式会社 zero to one)の協力を得、全国の高等専門学校の教員へ無償で「DCON2020 高専教員向け教育コンテンツプログラム」を提供する。高専教員への教育プログラムを提供することで、高専でディープラーニング活用の流れをさらに加速させる。
閉会式で、東京大学 松尾豊教授は以下のように語った。
「今日の審査は非常に短い時間で行われましたが、このバリュエーションと投資額は決して嘘の話ではありません。ファンドのアドバイザーをしていますが、むしろ相場観としては実態を表している。高専生は、自分たちのやっていることに自信を持ち、価値を感じて欲しいと思います」