ディープラーニング×ハードウェアで高専生が競う事業コンテスト「DCON2020」エントリー募集開始

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高専生が日頃培った「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用した作品を制作し、その作品によって生み出される事業性を事業評価額で競う「第一回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2020(DCON2020)」のエントリー募集が開始した。

募集は7月26日(金)から10月4日(金)まで行われ、10月15日(火)に一次審査の結果が発表される。

DCONとは?

DCONは、主に電気、機械系の技術を習得した高専生が、ハードウェアとディープラーニングをかけ合わせた作品によって生み出される事業性を競うコンテストだ。

開催の狙いは以下の3つ。

  • ディープラーニングを学んだ人がハードウェアも学ぶには時間がかかるが、その逆は比較的簡易なこと
  • ハードウェアの知識を持つ高専生がディープラーニングを学べば、世界的に見ても貴重な人材となること
  • 全国にある高専発のベンチャーが地元で誕生すれば、地方経済への刺激になること

評価の軸は、技術だけではなく、あくまで「事業」になるかどうか。つまり、その事業でお金を稼げるのかどうかが大きなポイントになる。

「DCON2019」はプレ大会だったため、高専の授業を通じて開発された既存の作品をベースの応募のみだった。第1回となる「DCON2020」では、事業性を重視したうえで、新たに開発された作品を広く募集する。

Ledge.aiではプレ大会の「DCON 2019」に密着し、記事も公開している。当日の様子や、開催までの裏側が感じられるので、興味のある方はぜひ読んでいただきたい。

関連記事:ディープラーニングとハードウェアで競う「高専版」マネーの虎──「サイエンスZERO」も密着、開催の裏側

DCON実行委員会 委員長 松尾豊氏のコメント

以下に東京大学教授、DCON実行委員会の委員長を務める松尾豊氏が寄せたコメントを全文掲載する。

――松尾
「ディープラーニングの技術進化が急速に進んでいます。そのイノベーションは、多くの人が想像するよりも、ずっと大きな変化を社会全体にもたらすものです。

ディープラーニングが実現する、多数パラメータによる現象のモデル化は、従来の科学技術のあり方そのものを変える可能性すらあると思っています。ディープラーニングの産業活用には、カメラ、センサ、アクチュエータ等、さまざまなハードウェアとの連携が必要になります。ディープラーニングを学んだ人がハードウェアを学ぶのには時間がかかりますが、それに比べ、ハードウェアを学んだ人がディープラーニングを学び、道具として使いこなせるようになるのはそれほど難しくありません。そこに、高専生の可能性があります。

高等専門学校は、日本独特の教育制度であり、ものづくりの技術を実践的にかつ効率的に教育する優れた仕組みです。高専生がディープラーニングを身につけることで、

  • 機械
  • 電気
  • ディープラーニング

という『新・三種の神器』が揃った20代の人材が、日本に誕生することになります。GAFAに代表されるようなインターネット人材を中心とする『スマートな』ディープラーニングの活用ではなく、ものづくりに密着した『現場感のある』『実践的な』ディープラーニングの活用によって解決できる社会課題がたくさんあります。

各地にある高専から、新たな企業が生まれ、大きな投資資金が流れれば、地方経済にも大きな刺激になります。また、地方にある優良なものづくり企業と連携していくことで、地元企業の底上げにもつながります。そのなかから、世界で通用する企業が生まれてくるかもしれません。

高専DCONはこうした想いのもとに誕生しました。高専生自身が今の時代に自分たちのもつ潜在的な価値に気づき、自信をもって新たなイノベーションを生み出してもらいたいと思っています。それが結果として、日本全体を勇気づけ、日本の明日を切り拓くことにつながっていけばと思います。

プレ大会であったDCON2019は、2019年4月に東京丸の内で行われました。そして、DCON2020は、市場性の高い課題を設定することで、さらに事業性の大きなものにつながればと思っています。そのために、事務局となる日本ディープラーニング協会では、高専生への教育の提供や計算機環境の提供など、さまざまな支援を計画しています。

高専生の活躍を心より楽しみにしています」

8/10 NHK Eテレ「サイエンスZERO」で当日の様子を体感

プレ大会「DCON 2019」の当日の最終審査の様子は8月4日(日)のNHK Eテレ「サイエンスZERO」で放送された。再放送は8月10日(土)11:00~11:30。こちらもぜひお見逃しなく。