5月29日〜5月30日の2日にかけて開催されている、日本マイクロソフト主催のテックカンファレンス「de:code 2019」にて、トヨタ自動車のMixed Reality(MR)の取り組みが発表された。
整備作業のマニュアルを3D化。Microsoft HoloLensで整備士の作業の質を上げる
従来自動車の整備士は、車種ごとの手順書、修理書の紙やWebマニュアルを参照しながら作業を行なっていた。つまり、整備士は紙またはデバイスに片手を塞がれながら、2Dの画像や文章をもとに整備作業せざるを得ない。
そこでトヨタ自動車では、Microsoft HoloLensを活用したMRで、整備士が作業の手順を直感的に理解できる3D作業手順書、修理書を作成し、整備士が両手で作業できるアプリケーションを開発。社内で検証を進めているという。
Microsoft HoloLensを装着して自動車の前に立つと、その車種を特定し、その後3Dで作業手順が表示される。手順に沿って作業を進めれば未経験の整備士でもすぐに作業を習得できる。
新人教育や作業レベルの平準化、品質の担保にも寄与するソリューションだ。
de:code 2019では、HoloLens 2の年内での国内発売も発表された。それに合わせトヨタ自動車も年内にはHoloLens 2を導入し、トヨタ販売店に順次展開する予定だ。
Microsoft HoloLens活用事例からみるAI活用
トヨタ自動車ではさらに、同取り組みのなかでAzure AIも活用しようとしている。
自動車の3D CADデータから自動で学習モデルを生成する手法で、これにより作業ミスや作業漏れを検出できる。現在はマイクロソフトと共同開発、検証段階だが、おそらく近いうちにHoloLensの3D手順書、修理書と合わせて展開されていくだろう。
製造業におけるHoloLensの活用は、デバイスの進化に伴なってますます広がっていくに違いない。AIとの親和性も高いため、今後も注目のトピックだ。