日本ディープラーニング協会、「ディープラーニング開発標準契約書」を公開

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日本ディープラーニング協会(JDLA)は「ディープラーニング開発標準契約書」を策定し、9月6日に公開した。

JDLAは、ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指す協会。理事長は東京大学大学院工学系研究科教授の松尾豊氏が務める。

スタートアップと大企業間での契約締結を円滑化する

ディープラーニング技術は、さまざまなビジネスでの活用、社会実装に向けた開発・検討が進みつつある。技術開発を担うスタートアップと業務の委託者である大企業との間で多くの議論が交わされている。

一方で、契約においては、当事者間の契約実務に関する経験・スキル、ディープラーニングに関する認識・理解のギャップがあり、契約の締結がなかなか進まないという課題がある。

JDLAの産業活用促進委員会では、これらの課題を踏まえ、スタートアップと大企業間での契約締結を円滑化しさらなるディープラーニング技術の産業活用の促進を目的として、本契約書のひな型を策定・公表を決定したという。

「ディープラーニング開発標準契約書」ひな形の内容

契約書のひな型は、大企業がスタートアップに委託して開発を行うという前提のもと、スタートアップには充分な契約実務の経験およびスキルを要する人材が乏しいことなどを考慮。可能な限り簡便な契約書の策定を目指したという。

ひな形は以下の4種類。

  1. 開発委託契約書_利用料無し版
    開発したアルゴリズムについての利用料は無料として、アルゴリズムの開発についての契約を締結する場合(利用料は開発料に含まれているという考え方)
    (例:開発費:○○○百万円、利用料:無償)

  2. 開発委託契約書_利用料有版 利用条件・利用料の定めあり
    開発委託契約締結のタイミングで、アルゴリズムの開発の条件と金額、その利用条件・利用料を、定めることができる場合
    (例:開発費:○○○百万円、利用料:月額○○万円)

  3. 開発委託契約書_利用料有版 利用条件・利用料は別途合意
    開発委託契約締結のタイミングでは、その利用条件・利用料について定めることが困難なため、アルゴリズムの開発についてのみ条件と金額を決め、利用条件・利用料は別途合意する形にする場合
    (例:開発費:○○○百万円、利用料:別途合意)

  4. 覚書
    開発委託契約書で許諾されている対象以外に追加して本件開発物等を利用する場合

ひな形は以下からダウンロード可能だ。

「ディープラーニング開発標準契約書」公表資料一覧

JDLAは、本契約書の活用により、契約締結を一層円滑にし、さらなるディープラーニング技術の産業活用が促進されることを期待しているという。

Source:「ディープラーニング開発標準契約書」の公表に関するお知らせ