映像から車のナンバープレートをAIで消し込むサービス 改正個人情報保護法に対応

このエントリーをはてなブックマークに追加


株式会社ブライセンは7月10日、「映像データから車のナンバープレートを消し込むサービス」のベータ版体験企業の募集を開始すると発表した。また、本サービス開発のため、LeapMind株式会社から技術提供を受けている。

>>プレスリリース

改正個人情報保護法に対応したサービス

改正個人情報保護法は、2020年6月5日にが成立し、6月12日に交付、2年以内に施行されることがすでに発表(外部サイト)されている。この改正では、個人の権利利益の保護に重点が置かれている。たとえば、個人から削除要請があった場合はデータを削除する必要があるため、事業者にはどのようなデータがどこで、どのように管理されているかを開示することが求められるようになる、などだ。

現行法では、6ヶ月以内に消去する個人データには保有個人データとしての規律が適用されないため、事業者は利用目的の公表・通知義務や開示の請求対応義務を負わなくても済んでいた。しかし、今回の法改正により、保有期間の長短による区別は撤廃され、保有する個人データを6ヶ月以内に消去する運用を行っていた事業者にも、同様の義務が課される。

ブライセンは、グローバルに展開する大手自動車OEMメーカーと自動運転技術やサービスを開発しており、個人情報の観点では2018年に思考されたEU一般データ保護規制(GDPR)に準拠する形で、収集した映像から車のナンバープレートにぼかしを入れる作業の効率化に取り組んできたという。

今回、ブライセンが発表したナンバープレートを消し込むサービスは、映像データから車のナンバーを認識し、瞬時に消し込むことが可能だ。ディープラーニングを利用し、ナンバープレートを認識し、自動で消し込む。GDPRにおけるデータ管理フローを完備しているため、改正個人情報保護法にも対応している。

映像データから車のナンバープレートを消し込むサービスは、以下の手順で利用できる。

  1. 走行データなどの映像、画像を送付
  2. 自動消込ソフトで読み込みテスト実施(無料)
  3. 読み込んだ判定結果の報告、課題抽出(無料)
  4. 見積もり、提案の提示

ターゲットとして想定しているのは、自動運転サービスを開発するMaaS関連事業者、地図メーカー、商業用ドライブレコーダー開発会社、監視カメラ、工場での物体追跡などで個人情報の取り扱いに困っている事業者だ。

現在同社は、β版の体験企業を募集(先着50社)している。荒すぎる映像は診断対象とはならないほか、無料での消し込み診断のデータ容量は画像1,000枚以内、動画で20GB程度。詳しくはブライセンの問い合わせフォーム(外部サイト)まで。

画像内のナンバー消し込みサービスは以前にも

今回のブライセンのケースは「映像」からナンバープレートを消し込める、というのがポイントだ。文脈は異なるが、映像ではなく画像内のナンバープレートを消し込むサービスは、ユーザーローカル社が以前から提供している。

ユーザーローカルは、中古車サイトやソーシャルメディアに車の写真を掲載する際、ナンバープレートや背景に人、看板や家が写り込んでしまうなどのプライバシー上の問題を解決するためのアプローチとしてディープラーニングを利用した。デモサイトが公開されており、以前Ledge.aiでも試して記事にしている。

法人でも個人でも、プライバシーを守るために映像・画像内の情報を消去することは、今後一層求められていくだろう。しかし、人力で行うには画像加工ソフトなどを使ってもそれなりの労力がかかる。こうしたサービスを利用して、適切な対応をしていきたい。