ゲームAIで石炭火力発電所のプロセス属人化を解消。DeNAと関西電力が2020年までのシステム外販に向け協業

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関西電力とDeNAが、石炭火力発電所の燃料運用最適化を行うAIソリューションを共同開発し、外販ビジネスに向けて協業を進めることに基本合意したと発表しました。

輸送船→ボイラへの移動過程における属人化

従来、石炭火力発電所では、輸送船から受け入れた石炭をサイロ(石炭をボイラに送るまでの間、貯蔵する設備)で一旦貯蔵します。

その後、ポンプやベルトコンベアで石炭をボイラへ送り、高温で燃焼することで水を加熱。高温高圧の蒸気を発生させます。この蒸気でタービンを高速回転することで、電気は作られます。

しかし、石炭の種類によって混載や混焼ができない等の制約があるため、熟練の技術者が長年の経験やノウハウに基づき、制約を考慮しながら複数のサイロやボイラを運用するスケジュールを作成。状況変化に応じて見直しながら運用していました。

DeNAがゲームAIに使用される技術でアルゴリズムを開発

そこで、熟練技術者による燃料運用のスケジューリング作業を自動化することを目指し、DeNAがアルゴリズム開発に着手。一般的にゲームAIに用いられる、「膨大な組み合わせの中から最適なものを探索する」技術を導入し、アルゴリズムを構築しました。

その結果、熟練技術者が半日程度を要する燃料運用スケジューリング作業を、わずか数分程度で自動出力し、期間にして4ヶ月先までのスケジュールを自動で作成することが可能に。経験の浅い技術者でも簡単に扱える燃料運用最適化システムの開発について目処が立ったといいます。

このアルゴリズムは、原材料受入から製品生産までのプロセスを持つ幅広い分野でのスケジューリングへ適用が期待できることから、2020年代前半を目標に、関西電力が提供する「K-VaCSⓇ (ケイバックス)」のサービスのひとつとして共同で外販に向けて動いていくとのこと。

具体的には、以下のスケジュールを想定しています。

  • 2019年度:システムの実用化に向けた共同開発および検証
  • 2020年度:システムの本格開発、舞鶴発電所での本格運用開始
  • 2020年代前半:関西電力が提供する K-VaCS のソリューションとして外販開始

石炭火力発電所だけでなく、スケジューリングが必須となるさまざまな業界で横展開できそうなこのシステム。

製品の需要予測アルゴリズムと組み合わせれば、需要予測→売上計画→発注など、製造業や小売店舗のマネージャー、仕入れ担当が行うような業務はほぼAIで完結するかもしれません。

DeNAは1月にも中国における画像認識のトップ企業 SenseTimesと協業を発表しており、動きが活発です。豊富なAI人材を活かしてさまざまな業界のトップ企業と提携し続けるDeNA。今後も注目していきます。

Source:関西電力とDeNAが、石炭火力発電所の燃料運用最適化を行うAIソリューションの共同開発等に関して基本合意